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102話 トカチ編

 進が人狼の国を建国宣言した。

 それはトカチにとっては、全くの意外な展開であった。

 クノの町に来て支配下に置くのに、何のちゅうちょなく成し遂げた。

 誰一人として獣人は逆らう者はいなかった。

 魔族の子として生まれたトカチは魔族がこの世界を支配する日が来ると信じていた。

 進がトカチの部下として働くことになった時は、たいして期待していなかった。

 それはシュナリとの決闘を見て確信していた能力で、部下の団員の中でも真ん中よりも下といったところであり弱いと思った。

 チユとシュナリを部下の団員として加えれば進はオマケの存在に過ぎないはずであったところに、チユが牢獄から脱走したと聞き追いかけたのだった。

 町にまで逃げ切ったのは褒めてやろうと思うも、それも終わり。

 時間が解決するだろうと、なぜなら側近であり右腕、左腕であるヨールとギュウをすぐに呼び付けて捜索させたから。

 ブロンズ騎士団の称号など二人を前にしたら、何の意味を持たないのである。

 見つかったら即死もあるが、チユは生かすよう伝えておいた。

 だがトカチが進を発見した祭にあった光景は、飛んでもない光景であった。

 最大の信頼を置いたヨールとギュウが二人がかりにも関わらず、死に絶えていた。

 しかも進は無傷。

 かすり傷すらない状態で、どうやって二人を斬ったのかわからなかった。

 そして進と斬り合い、負けた。

 初めての経験。

 それだけでなく大事なアレも見られた。

 嫁になったからには、進に尽くしたいという気持ちが強くなってきていた。

 進がナッツに弓矢で射されて倒れてしまい、部屋に運ばれた。

 その部屋はトカチの住まう住居のひと部屋。

 チユが回復魔法をし、回復薬も飲んだのが効き傷は回復していた。

 ベッドで寝る進を見守るようにして横に居るトカチ。

 外は暗く夜になっていた。

 進がこの国に留まり騎士団長として護衛してくれと命令した。

 その命令には戸惑いもあった。

 なぜなら進が冒険に出てしまえば、一緒に居ることは出来なくなり、離ればなれになる。

 それは少し寂しいなと感じたのだった。

 だが進が命令したからにはトカチは命令に従うことにした。

 それで進が喜んでくれるなら、トカチも同じく嬉しいから。

 当初の目的は魔族が世界を支配することだったのに、今は変わってきていた。

 魔族だ、人族だなんて関係ない。

 進が望む世界がトカチが望む世界に変わってきつつあった。

今日は午後にもう一話更新します

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