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79話 スイーツ

 とても可憐に変身したシュナリを直視出来ないで、途方に暮れているとチユが選んで試着室にいく。


「それでは試着してきます」


「うん」


 シュナリは別の服を見ているところに俺が並ぶと、場違いな気もした。


 とても俺に釣り合った彼女ていう感じはしないですし、町でどうしてこんな野朗がこんな可愛い子を連れてんだ的な雰囲気である。


 見る目に困ってしまう。

 そんな時にチユが試着室から終えて出てきたのを見るや驚愕した。


「これなんか可愛いかなっと冒険してみましたっ!」


「なっ! なんだそれは」


「全身白くて良いでしょ?」


「冒険し過ぎじゃねえーか。それは私服なのかい!」


 チユが着て現れた格好は、看護士が着ている服に思えた。

 いわゆるナース服って奴で、確かに全身白いですが、なんでこんな物が売ってるのか不思議であった。


「私服でもいいし、迷宮にも着ていきたい。そしたら目立つかもな」


「目立ってどうすんだっ」


「あら可愛いじゃないのっ。見たことない服だけど、セクシーだわチユ」


「どうもありがとう。これに決めてもいいかな」


「絶対にこれにしなよ」


 シュナリがベタ褒めした。

 女の子の友達同士で買い物したみたいな会話が続いた。

 もはや俺には理解できる範囲を超えていて、中には入れない。


「いいかしら?」


「いいかしらって、本気かいな。よし買いましょう」


「ありがとうっ」


「おおっ」


 チユは嬉しさのあまり走ってきてナース服で抱きついて来た。

 ナース服はハチ切れそうな胸が泳いでますが。

 

「とてもお似合いでございますよお客様。そちらはいっぴん物になりますので1着しかございませんので、買うならお早めに」


 接客に来た人は女性で、これまたセクシー感ハンパない。

 この人が店員ならこの服を置いてあるのも納得した。


 芸能人的なオーラが出てますから。

 

「それじゃあこの2着を購入します」


「はい、ありがとうございます」


 ニコッと笑顔をみせてくれる。

 トパーズを渡すと、もっと笑顔になった。

 お金好きそうですね。


 会計を終えて店を出てから、色々と町を歩いてるまわろうとしていると、なぜか人々の視線を感じずに要られない。


 その視線は俺ではない気がしていて、その視線の先にあるものは……。

 

「ま、まさか! その服装で店を出てきたのかよっ」


「ええ、とても気に入ってますので」


「みんな私を見てるような」


「……」


 どおりで町の人の視線がこちらに向いてるわけです。

 あまりにも目立ちすぎて一緒に歩いてる俺の方が恥ずかしくなる。


 また服を元の服に着替えさせたとしても、店に引き返して服を着替えさせるのも変である。

 仕方なく、このまま歩く他ない。

 

「ご主人様は服は買わなくてよろしいのですか」


「俺なら気にしないでいい。今ので十分さ。他に買いたいものは?」


「いっぱいあります。でも手には着て来た服を持ってますので、もう持てませんね」


 袋には着てきた物が入ってるそうで、両手はふさがっている。

 これでは買い物はするにしても買えないのはわかってるので、見るだけな形になる。


 家具屋でのベッドは自宅に配送しておくように、配送料を別途支払っておいたので、いずれ屋敷に配送されるだろう。


 どうやって運んでくるのかまでは聞かなかったが、日本なら大型のトラックに乗せて配送され部屋まで運んでくれるものだ。


 トラックはおろか、車すら無い世界で運ぶ手段はあるのか考えてみると無理な気がしてしまう。

 そこまで悩む必要はないが。


「手には荷物でいっぱいですし、喉も渇きました」


「そうだな、喫茶店にでも寄ってみよう」


「何か飲みたい〜」


 チユは喫茶店というフレーズに即座に反応した。

 よほど飲みたかったのか、自ら喫茶店を探してキョロキョロとして、近くの喫茶店を発見したのか、俺達を手招きしていた。

 

「喫茶店のようだな。入ってみるか」


「ええ」


 チユは俺が来る前に喫茶店に入って待っていた。

 シュナリと席につくと3人ともコーヒーを注文した。


 コーヒーにはミルクを入れてもらいカフェオレのようにして飲んだが、甘くなく喉を潤してくれた。

 

「あの……」


「どうした?」


 チユがもじもじしながら、何かを言いたそうにしている。

 トイレかな。


 女の子だから言いにくいってのはあるのを、気づいてあげなければな。


「デザートも食べたいな……」


「……そっちか」


 気を使おうとした俺が恥ずかしくなった。


「頼みな。えっと、メニューだ。ホレ」


 メニューを渡すと食い入るようにして選んでいて悩んだあとに、やっと決まったようだった。


「この、シュークリームをいいかな」


「シュークリームなんてあるのか」


 俺は店員さんを読んでシュークリームを1つ注文した。

 その一部始終を見ていたシュナリが文句があるような顔をしたので、これは何か言いたそうだなと思った。


「ご主人様……私にも」


「やっぱりそうきたか。メニューだ。ホレ」


「えっ」


 シュナリもメニューを見るが、すぐに決まったようだった。


「チーズケーキを」


「早いな。わかった」


 同じように店員さんに注文したら、少ししてからシュークリームとチーズケーキを運んできて出された。


 可愛らしい丸いシュークリームと白くて綺麗な断面をしたチーズケーキであった。

 俺まで食いたくなってきた。

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