75話 魔石ゲット
ウッドカボチャていう名前がつくくらいなので、木で作られているようだ。
木から生まれたとか?
そんなこと考えてたら、容しゃなく砂を吸い込んで吹き出してきやがった。
「あぶないっ!!」
「……」
シュナリは反射的に叫んだ。
その声もあって、砂の塊を寸前で避けれた。
危ねぇ野朗だな、いきなり売ってくるて卑怯者である。
何とかかわせました。
ありがとう、シュナリ。
もう少し近くに寄りたい。
カボチャは、間髪いれず吹き出してきやがり、近くに行きずらい。
こうなったら、走りながら突っ込んでみるか。
ガイコツの光も消せたのだし、この砂の塊も消せるはずだ。
単純な理由で、カボチャに走り込む。
当然のようにカボチャは吹き出してきた。
そこでバジリスクを振りぬいた。
「やりましたね!」
「こうも、アッサリと……」
「迷宮クリアだな!」
カボチャの放った砂の塊を切り捨てカボチャ本体も切り捨てた。
後には魔石が3つあり、アイテムボックスへと収納する。
よし、これでオッケーなのでバジリスクは消しておきましょう。
バジリスクは砂に戻った。
再び大地の刃にチェンジ。
「どうやって斬ったのだ。見えなかったくらいに速い。速いというより、途中がないように思えたな」
チユはビックリしているご様子。
「これが俺の秘技さ」
「私にも使わせておくれ!」
「無理だな」
「どうしてよ?」
「それは理由があるのだけど、とにかく無理だな」
魔力量が俺とチユでは違い過ぎるのでね。
「うえ〜ん。使いたいな」
「ご主人様っ!」
「おおっ!」
シュナリが駆けつけてきて、抱きついて来た。
とても気持ちいい。
クリアしたご褒美と思っていいのだろう。
「それよりも、迷宮のボスを倒したのですから、一刻も早く迷宮から出ましょう」
「それが正解」
「納得してないのに」
ボスをクリアしてその足で迷宮を出ると、騎竜に乗りターヤに帰還。
迷宮屋で換金担当の女の子に渡し魔石をトパーズに交換する。
結構な物でした。
そこへ向こうにいた、受付けのお姉さんが会釈してくれるので、俺も笑顔で答えておいた。
「進さん、お帰りなさい。メンバーが3人になって頼もしくみえます。きっと頼られてるのでしょうね」
「ありがとう。どちらかというと、俺の方が頼ってる方かな」
「冒険者のメンバーはそうして頼りあってお互いに強くなっていくものですよ。もっとレベルの高いメンバーの方だって、切磋琢磨して有名に成っていったとか。だから心配は要りませんて。時間をかけてじっくりと探索していけば、いいと思います」
「参考になります」
じっくりか。
何だか今の話を聞いたら、この魔石を出しにくくなった。
ボスの魔石は特別なのでお姉さんに渡す必要がある。
「エハロに行っていましたよね、あそこはちょっと面倒なことになってまして」
「面倒なことに?」
なんの事でしょう。
もう俺がクリアしたのを知ってるとか?
それは無いと思うので、他に理由がありそうである。
「ご紹介した時には、エハロ迷宮レベル2とご説明していてレベルの低い冒険者でも探索に向かいました。しかし迷宮の調査隊が調べた後にレベルが高くなったのです。なので掲示版でも注意をしていましたところです。進さんにも危険だと説明する予定でしたら、私の止めるのをきかずに……」
「行ってしまった。すみません。今度から気をつけますので。その件なんですが、魔石を持ってきました」
アイテムボックスから魔石を取り出して、差し出した。
大きさは通常の魔物の魔石と違う。
大きくて輝きもある。
出しにくい状況ではあるが、もう出すには今しかない。
「魔石ですね…………えっとエハロの魔石ですか!!」
「そうなんです」
「だってあなたっ、私の話を聞いたでしょっ! ボスは? どうやって!」
「つうか、独りで倒しました……」
「…………」
完全にぼぅ然となった。
どうやって説明してら、わかってもらえるのか悩んだが難しいので止める。
「……わかりませんが、とりあえず、魔石を鑑定してきますので、お待ちになってて」
「はい」
偽物ではないので心配はない。
これからもお世話になるので、変に思われても利用しずらくなる。
「本物でございます。こちらが交換するトパーズになります。よくクリア出来ましたね。進さんのレベルでは難しい迷宮レベル5にランクアップしていたのです」
「ランクアップて珍しいのですか」
俺は迷宮レベル5をクリアしたということになるそうだ。
「迷宮には突然成長するタイプの物があります。早似た物では、早期成長形というのもあって、あと後期に成長するタイプもあります。この結果は必ず王国へ報告しますので表彰される可能性が大きいですね」
「えっと、表彰ですか」
「はい。よい成績をおさめた冒険者には国王から表彰されます。軍の方には直ぐに報告されますので、明日の朝にここに来てください」
「よろしくです」
表彰か。
俺もこれで有名に成れると思うと嬉しくもなる。
できれは有名にはなるのをさけていたのだが、そうもいかなくなりそうだ。




