69話
魔物の大群を前に俺達は硬直していた。
いくらなんでも多過ぎるからで、威圧感さえ感じていた。
しかしバジリスクは使いたくないのが本音であって、ボス戦にまで取っておきたいという作戦であった。
ブツブツとチユに文句を言いながらも大苦戦の末、大群を全滅させることには成功する。
「俺の判断ミスかもな。バジリスクを使うべきだったなと」
「でもバジリスクはボスに使う予定でしたよね、予定外な魔物なので使うかは難しいとこなのでは」
「でも倒せたから良しとしたい」
「それもこれも……」
シュナリはチユを見る。
その目には温かみは感じられない。
「えっと、はい今後はつつしみます」
反省してるようで、反省してなくもない。
俺も助けてもらったから、別に気にしてなかったが。
しかしシュナリはその謝りかたが気に食わなく思えたようであった。
「もぅっ、ご主人様。チユは晩ご飯抜きにしてやりましょうっ!」
「おお、そうだな。それくらいならいいかも」
「ええっ!! 無理です。それは無理ですから〜!!」
それだけは止めてと、俺の腕に抱きついてお願いしてくる。
晩ご飯抜きもありだったが、大きな胸が腕に当たってハンパなく気持ちいい、そのせいか、腕の痛みはなぜかしら、消えていた。
何度も腕にアタックしてきて胸がバウンドしてて何でも許したくなるのは仕方ないことだった。
「わかった、わかった。ちゃんと晩ご飯はあげるよ」
「ご主人様、甘やかし過ぎですわっ」
「それよりも、エビのシマ模様の数は?」
それが気になっていた。
最も大事な件てあるからして魔物退治など二の次である。
「あっ」
「見てませんね」
「3人とも見てない」
「もう一度……ですね」
残念ながら3人とも数えていなかった。
上手くいかなくガックリと肩を落とした。




