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67話 エビに隠された謎

 悲鳴の原因はネズミだと判明。

 

「狼の血をひいていてもネズミは怖いのかい?」


「まぁ急に出たら怖いかも」


「捕まえて〜〜」


 シュナリは眉を細めて言ったが、実は俺も苦手で家で見た時の恐怖といったらないし素早いし、この世界にもネズミは居るってことで早急に手を打とう。


「パンナオよ。今日中に大掃除をしてネズミを駆除しておくんだっ」


「はいっ。駆除しておきます」


「これでネズミの件は心配ないだろ。それよりも俺にとっては迷宮をどうするかな」


「今日は迷宮に行きますよね。どこかに手がかりがあれば」


「壁画の謎もまだわかっていないしな。確かエビと扉が描いてあったんだ」


 あの体育館のような大きい空洞に描いてあった絵は、間違いなくエビだったんだけど。

 

「このエビは何のエビかしら?」


 シュナリが食べながらチユにたずねた。


「えっと……」


「そのエビでしたら町で売られているエビで、近くの池で捕れたものでしょう」


 チユが困ったので、代わりにパンナオが答える。


「ふーん。エビにも色々とあるものなのね。このエビにはシマ模様がある」


「ええ、シマ模様には種類がありまして、模様の数が違いますでしょう」


「本当だ違うな。俺のは2本」


「私のは3本や5本てのもありますよ」


 パンナオに言われて初めて気がついて、模様など気にもしていなかった。


「このエビはシマ模様の数が多いほど、身が締まっていて美味しいと言われています。食材を選ぶ際に見た目も重要ですから、はい」


「数か、数の違いね」


「そういえば、スノーシュリンプも魔物ですがエビだ」


 チユが思い出すようにして言うと、確かにスノーシュリンプも魔物だが、エビの仲間に入るのだろうか。

 

「待てよ……。スノーシュリンプにもシマ模様があったか?」


 俺はシュナリに向けて質問をしたが、それはヒラメキのように頭をよぎったのであり、一つに繋がる予感がしたからである。


「えっと、有りました。硬い甲羅にシマ模様が。それが何か?」


「やっぱりあったか。つまり俺が言いたいことはスノーシュリンプにもシマ模様の数が違う物が生息していて、その数が謎を解く鍵になりうると思ったのさ」


 もし俺の考えがあってたらのはなしだが、数が違っていたら、そこから扉を開く道があるのかと。


「迷宮に行けば数はわかります!」


「よし、そうとなれば迷宮へ急ごう」


 朝食も食ったし、シュナリも食べ終わっているので、席を立ち上がろうとしたら。


「ちょっと待ってよ」


「どうしたチユ?」


 何か困ったのかな。


「まだ朝食食べてない〜〜」


 すみません、忘れてました。

 言われてみたら、チユは料理をしていてまだ食べてなく、ごちそうさまでした、とだけは言っておきます。


「もうっ! 速攻で食べてよね!」


「やっぱり美味い〜。私のチャーハンは!」


 シュナリに急かされつつ、残った朝食を全部たいらげるも食欲は旺盛で、チユが食べ終わってから出かける準備を整えると、迷宮屋へ直行。

 今日にもエハロ迷宮を完全攻略したいと、俺のゲーマー魂が急がせ迷宮屋へ着くなり騎竜を注文した。


「騎竜を!」


 会話している時間ももったいなく感じたから。


「進……さん……」


 美人のお姉さんは、アレレって感じで通り過ぎてく俺達を見守るなか、外に出ると騎竜が待機していたので、出発を急がせて迷宮に向かい、迷宮に到着してまず一階から調べることにした。


「まず一階から調べよう。スノーシュリンプ意外は逃げてもいい」


「はい。数さえ調べればいいのですね」


「そういうことさ」


「武器はどうしますか」


「そうだったな、忘れていたぞ。自分のレベルを調べてくれ」


 ウインドウからレベルをサーチしてみると、最深部まで行きかなり経験を積んでいたとみる。


 堀進   冒険者レベル9

 

 シュナリ 冒険者レベル6


 チユ   冒険者レベル10


 俺は一つ上がっており、まずまずの出来と言っていいだろう。

  

「シュナリも頑張ってたしな、上がって当然だな」


「魔書を調べて見てください」


 魔書を開いて調べてみると、俺とシュナリのレベルには該当する武器はなかったのは残念で、俺のはやはり剣で探してみて、シュナリは短剣だけど、まぁ仕方ない。

 今の大地の刃でも問題はないしな。


「残念ながら該当なしだな」


「ダンシングダガーは使いやすいので問題ありませんです」


「俺も」


「スノーシュリンプも生け捕りにして料理してやろ〜」


「あんたねー! 料理のことは忘れてちょうだいっ」


 シュナリに叱咤される。


「は〜い」


 悔しがるチユを見ると本気で料理しようとしてたのかと疑うも、そこまで料理好きなら今後もキッチンに立ってもらうのも悪くはないと考えたりするが、本人の希望があればだけど。

 一階のフロアーを探索中に、さっそくですが魔物らしい。


「魔物が一匹。スノーシュリンプです」


「待ってました」

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