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57話 5階の泉

 地下4階は3人で協力して戦い抜きマップを征したようだ。

 このフロアーでは階段を発見するだけになった。


「ご主人様、階段です」


 タイミング良く、発見できたようだ。


「階段か。今回は謎を解く必要はなさそうだ」


 フロアーの突き当たりに階段はあったので。


「そのようですね」


「次は5階だな。もうそろそろボスに近い」


 チユがここまで来て初めてボスに近いと。

 

「わかるか?」


 チユはもっとレベルの高い迷宮にも居た。

 ここエハロ迷宮はレベル2。

 そろそろなのは、感と経験からだろう。


「エハロ迷宮はレベル2なのでしょ、そんならもう近いぞ」


 チユの言葉に重みがあった。

 シュナリもその言葉に反応して、尻尾がヒュっと上に伸びた。

 そして階段を降りていく。



 階段を降りていくと5階層に。

 見た目は普通にフロアーって感じで、特に異変はない。

 ボスの部屋があるならと感じると、マップに記す手にも汗をかいた。

 まだ体力は有りそうだ。

 2人はどうだろうか。

 

「探索も終盤を迎えた。もうちょい頑張ろうな」


「まだ戦えます」


 シュナリはダガーをかかげて元気をみせた。


「ちょっと、お腹空いた〜」

 

 お腹を押さえるようにして言った。

 チユはややパワーダウンかな。

 それはそれで、何とかしていこう。

 

「ターヤに帰ったら腹いっぱい食わしてやる」


「本当にか! 頑張ります」


 今度はガッツポーズを作りヤル気をみせつけた。

 軽いノリなチユであった。


「……それってパンナオに作らせるのですよね」


 シュナリは苦笑いに。

 いくら何でも、パンナオに掛かる負担が大きくなって気の毒だなと思ったからか。

 

「パンナオなら喜んで作ってくれるさ、俺の頼みならな」


 シュナリの心配など俺にはないのだけど。

 パンナオの奴は相当な金を貯め込んでそうだし、食材費など余裕だろう。

 そんな会話をしつつ歩いていて5階のフロアーの風景に異変があった。

 あれは……。

 狭いフロアーとは違う風景なのは、一目でわかる程に。

 

「ご主人様、通路を抜けると向こうは広い空間がありますね」


「なんだろうか。まさかボスの部屋か」


 その可能性も考えておく。


「今までの階層のフロアーとは明らかに違います。ボスならどうしますか」


 シュナリは先頭を歩いていた。

 そこでピタッと歩く足を止めた。

 注意深く先の様子を伺っているようだ。


「何かの魔物の臭いはあるか。ボスなら臭いも強いだろうからな」


 シュナリは俺の指示通りに細心の注意を払い、鼻をクンクンさせた。

 臭いでボスかどうか判別できたら便利なんだけどな。


「……魔物の臭いはしませんね。このフロアーには魔物が居ないようです」


 シュナリは確信を持って振り返り言った。


「魔物が居ない……」


 居ないとは?

 理由がありそうだが。


「そんなら広場まで行けば、はっきりするわな」


 俺が迷いに決断をこまねいていると、チユが言った。

 広場まで行けばと。

 いつものように軽い口調ではあった。

 だけど、目は真剣な目をしていた。


「でも何かのトラップだったら?」


「この道しかないのだ。何のために来たのか」


 俺のトラップがという質問にもチユは冷静だった。


「……」


 俺は答えに詰まった。


「ボスを倒しに来たのだよな進!」


「……」


 その通りですね。


「ご主人様、行きましょう」


「広場まで行けばか。そうだな、ここに突っ立ってても仕方ない。シュナリ、チユ、広場まで行くぞ」


 行けばわかることもある。

 胸がソワソワした。

 ここまで何のために来たのか。

 ボスが目的だった。

 それを教えて貰うなんて俺が一番だらしないよな。

 こんなんじゃ、ダメだな。

 シュナリが再び歩き出す。

 フロアーは歩く度に明るくなっていった。

 そして広場に差しかかると視界は広がった。


「思ったより広いな!」


 何ていうか、巨大な空間。

 建物の中みたいな。


「5階だけ造りが違います。それに見てください。向こうは水がありますね。泉?」


 シュナリが言う方向を見てみる。

 確かに水が一面あり、それも池や泉の様に。


「近くに行こう」


 なぜ水かあるのか。

 それも大量に。

 知りたいので近くに行こうとした。


「待って進!」


 そこへチユが止めに。


「どうした?」


「もしかしたら、水中にボスがいたら?」


 全く考えていなかった。

 水中に居るなんて考えもつかなかったので、俺は冷や汗ものに。

 危ない、危ない。

 うかつに、行動に出ると危険すね。 

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