54話 迷宮のカラクリ
レバーを持つ姿は、やや腰を上げてお尻を突き出した格好になった。
力を込めて行うから、お尻を出す方がいいのだ。
俺はその姿を見ていて、本来ならレバーが動くかが重要なことなのだが、それよりもお尻に注目してしまった。
シュナリのお尻は、形はメロンの様にまん丸。
服の上からでも、クッキリと形が露呈していて素晴らしい。
もう1つのチユのお尻はと言うと、背が小さいのにお尻はプリッとしており、ぷるぷると揺れてる。
何ともいい眺めだな。
非常識にも、そんな事を考えてしまった。
イカン。
あまりの良い物に、つい気が逸れてしまうのが俺の悪い所。
レバーの方はどうかな。
「どうかな、動きそうかい?」
「少しだけ動きました」
「動いた」
「2人一緒にするものだったんだ。よし、もう少しだ。頑張れ!」
2人一緒だと動いた。
つまり1つだけでは、動かない仕掛けであったのだ。
ナルホドな仕掛けだが、なぜこんな体勢で押させるのかは理解に苦しむ。
嫌ではないので反対するわけではない。
「動いたけど、もう少しって感じ」
シュナリは力を込めて押す。
その度に、お尻は上に下に揺れてる。
ついでに、尻尾も揺れてる。
触りたい。
なぜか、触りたい。
昨日たっぷりと触った。
でも、触らせて欲しい。
「う~ん、う~ん」
チユも頑張ってる。
頑張れば頑張る程に、ぷるんぷるんとなった。
尻尾はシュナリのよりも短めだ。
シュナリのお尻は、昨夜に触らせてもらいました。
まだチユの物は見体験。
触りたい。
怒るだろうか。
怒って帰る、となったら俺が困る。
チユよりシュナリが怒るパターンもあり得る。
騎竜の時はのように、俺がチユに好意を抱くとシュナリは怒った。
俺を独り占めしたいようだ。
独占欲がかなり強い性格らしいな。
まぁ怒ったシュナリも可愛いから許してしまうが。
お尻を前に、俺は関係ない事を考えていたのを反省して様子を伺う。
「どうだい? 動きそうか」
「あと少しってところですね」
「う~ん、う~ん」
「頑張れ!」
応援のエールを送った。
そしたらシュナリが申し訳なさそうに言ってきた。
「ご主人様、お願いがあります……」
「なんだい、言ってごらん」
「……いえ、やっぱり止めます」
「いいから、言ってごらんよ」
「怒るかも知れませんので…」
「怒らないから」
「では、言います。ご主人様に私のお尻を押してもらえないかと思ったのです」
「お尻を!」
お尻を押してもらえないかだって!
唐突に言われて、びっくりする。
なぜかも、わからない。
「はい。押してもらえば、レバーが動きそうな予感がします」
「そうか! 俺がお尻を押せば、その分力が入る。押してもいいんだな」
「お願いします」
「では、押す」
これは願ってもないチャンス。
触りたいと思っていたところに、シュナリの方から言ってくれた。
ありがたく、触らせてもらいますよ。
俺は遠慮なくプリッとしたお尻を触る。
感触は素晴らしいです。
ちょっと尻尾が反応した。
そのお尻をグイッと押してみた。
「あっ…」
押したら声を上げた。
可愛いらしい声だった。
「大丈夫?」
「はい。大丈夫です。動きましたから」
「よし、もっと押すぞ!」
「あっ」
押す度に声を上げた。
謎を解くためにしているのに、興奮してきた。
いいのか俺。
そんな状況か。
ここは興奮を我慢して謎をとくことに集中しよう。
そう思った時に、チユが言ってきた。
「進。私のお尻も押すのだ」
「えっ。いいのか?」
いいのか?ときいた。
本当は触りたいのに。
「今は、このレバーを動かすのが先決。押すのだ」
「よし、では押すぞ!」
俺は右手でシュナリのお尻を触りながら、左手でチユのお尻に手を伸ばす。
おお! ついにこのお尻を触れるぞ!
俺は嬉しさをバレないように隠した。
お尻に触るその寸前にシュナリが言ってきた。
「ちょっと待ってくださいご主人様」
「どうした?」
「あのー。チユのお尻を触って欲しくない」
「でも、俺がお尻を押せば動くのだろ」
「そ、そうですけど、チユのは触って欲しくないのです」
どうやら、俺がチユのを触るのが気になるようだ。
どうするか。
シュナリを気にしていれば、レバーは力が足りない。
でも、触ると怒るかもな。
難しい判断になった。
「進! シュナリの言うことは無視して。早く押すのだ」
「む、む、無視してって何よ! あなたがご主人様に触れだなんて失礼よ!」
「失礼なもんか、お尻を触るだけだろう。何を怒ってんだ。それって、進が取られると思って心配なんだろ」
「そ、そんなことありません。チユの汚いお尻を触らせなくないだけですわ!」
シュナリはチユに言われて、動揺していなくもない。
「汚いだって! 私のお尻のどこが汚いのよ。あんたのはデカイだけでしょ?」
「で、で、で、、、デカイだけてすって。よくも言ってくれたわね!」
マズイな。
やっぱりこうなったか。
何となく予感があったが。
言い争いに発展してきた。
こうなると俺には止めようがないのは経験済みであり、もはや階段どころの話ではなくなってきた。




