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44話 ベッドイン

 パンナオに掃除させているので、シュナリに会いに隣に行く。

 シュナリは窓を開けて外を見ていた。


「眺めはいいかい」


「庭が見れて綺麗」


 庭が見れるようだ。

 どれどれ、覗いてみたい。


「ほぅー。いい景色だ。上から見るとまた違う」


 庭にいた時はわからなかったが、綺麗に区画されてあった。

 ちょっと上流の気分を味わう。

 日本の自宅の部屋からは、うるさい近隣住民しか居なくて最悪であった。

 それからしたら天国に感じる。


「ご主人様は部屋を持つのですか」


「うん、この隣さ。今はパンナオに掃除させてる。ベッドも大きなのがあって気に入ったんだ」


「隣なんですね。私の部屋にもベッド欲しいかな」


 物欲しそうに甘えてくる。

 上目使いもしてきた。

 いつ覚えたんだ。

 こんな可愛い仕草を。

 そんな仕草されたら買わないわけにはいかない。

 だけど今日はもう時間は遅い。

 ベッドなどは購入しに行ってもどうかなって感じだ。

 女の子などで部下が使用済みのベッドには興味ないようだ。

 汚れているのもあるだろう。

 シュナリには新品のベッドを用意してあげたい。


「ベッドがフカフカでいいかい」


「ベッドなら床に寝るよりもフカフカしてますので嬉しい」


 風呂上りの胸がまたいやらしい。

 そこは風呂で既に確認してある。

 これが触れるなら。

 

「今日はもう遅いし。明日にでもベッドを見に行くか」


「見に行きたい。楽しみだなぁ」


 手の平を広げて喜んでくれた。

 とりあえず、シュナリの個室と俺の個室が決まったわけだ。

 備品類は今後にするとして、問題は今日。

 俺の個室にしかベッドが無い。

 そうなるとシュナリはどこで寝させよう。

 当然に俺と一緒にとならざるを得ない。

 もうすでに一緒に夜を過ごした仲。

 ただしそれはアクシデントがあってのこと。

 尻尾を強く握った際に、シュナリがバランスを崩した。

 そして俺と重なり合った。

 偶然の産物なのである。

 可笑しいことはないのだが、妙に照れてしまう。

 いざ、誘うにしても何て誘ったらいいのかと。

 不安になる。

 でも自信を持とう。

 今日は俺の個室に来いと正直に伝える。

 正直に伝えればシュナリにも伝わるはずだから。

 シュナリが目をキラキラさせてる今がチャンス。


「今日は俺のベッドで寝ようか」


 思い切って誘った。

 ドキドキ。

 シュナリは俺を見つめる。


「ご主人様は私の胸でフカフカしたいと」


 ズバリ言われた。

 いい訳をするべきか。

 直球勝負で寝たいと言うべきか。

 フカフカしたいの…ときいているだから、嫌ではないはずだ。

 嫌ならそんなききかたはしない。

 ここは素直に言う。


「シュナリとフカフカしたい」


「ベッドが1つしかないからかな」


「違うよ。一緒にフカフカ」


「シュナリはご主人様とフカフカします」


「本当にか」


「どうぞ」


 シュナリがどうぞと言った。

 確実に耳で聞こえた。

 一刻も早くベッドへ向かいたいところだ。

 それには掃除が終わらないと始まらない。

 まだ掃除してるのかな。

 ピッチを上げて終わらせるように言ってやる。

 隣の部屋を見に行くとパンナオはまだ掃除中であった。

 遅い。

 早くしてほしいのにので無理を言った。


「あと1分で終わらせるんだ」


「1分で!」


 びっくりしたのか、動きが速まる。

 みるみると片付づいていく。

 やればできるんだな。

 結果は半分の時間で終わった。


「終わりました」


「どうもな。用はないと思うので寝ていいぞ」


「では、お休みなさい」


 パンナオは俺の個室を出ていく。

 その額には大量の汗が光っていた。

 綺麗になった部屋を見てシュナリを呼びに行く。


「おーい。コッチにおいで」


「あら、いい部屋ですね」


「ベッドも大きいだろ」


 俺がベッドに寝っ転がる。

 そこへシュナリがやって来て。


「わー。大きいしフカフカ」


 俺の真横に寝っ転がった。

 体を伸ばしてベッドの弾力性を感じて楽しみ始めた。。

 シュナリが横に来て、このまま寝ればいいだけに。

 横を見るとシュナリもコッチを向いて見つめ合う。

 服は防具はもちろん無くて薄い衣の服だけ。

 胸が寝っ転がると重なり合いボリュームアップ増して凄いことに。

 つい、視線が胸の谷間にいく。

 前回のように裸で抱き合って寝たいのだが。

 そうして戸惑っているとシュナリの方から寄って来たのだった。

 俺の腕に胸を押し付けるようにして。


「どうしたのですか。胸をくっつけてもいいですか?」


「か、構わないぞ」


 シュナリから迫ってくるとは予想外な展開。

 でも悪くはない。

 シュナリは疲れたようでもう寝息をしていた。

 

「おやすみ」


 と耳もとでいってあげた。

 今日はいい日だった。

 初の風呂に入って混浴したり。

 こうしてシュナリと……。

 明日はまた迷宮に行く予定にしよう。

 地下3階までは行けている。

 またその先へ向けて俺も早めに寝るとしようかな。

 と予定を立てていたら、寝入っていたシュナリがゴロンと寝返ったのだ!

 寝返ったのはいいが、俺の体の上で停止。

 す、凄いことになってますよ、シュナリ…。

 胸が密着して潰れるくらいになっていて、この体勢でいるのも困ってしまった。

 早めに寝るどころじゃなくなったな、これは……。

 

「ご主人様。飲みたい……」


「えっ!」


 飲みたいって今言ったよな。

 どんな意味で言ったんだ。

 まさかそんなことまで知ってるのかと疑ってしまうが、それはいくら何でもだよな。

 だが本気で言ってきてるとしたら。 

 俺は色々と妄想をしてしまった。

 ダメだぞシュナリ。

 そんなことは……。


「もっとお酒飲みたい……」


「アハハ……」


 お酒でしたか。

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