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23話 トラップ

 シュナリにも説明してみると。


「調べます。気をつけますので」


「異常があったら教えてくれ」


「はい」


 念のために慎重に進んだ。

 しかし進んでも人の姿は見えない。

 おかしいな。

 まだ先に居るのか?


「気配は?」


「すぐ近くです」


「近く!」


 近く?

 どういうことだ。

 何も見えないのに臭いがある。

 本当に見えない敵がいるとか。

 魔法で姿を消せるのならありえる話だ。


「姿を消せる魔法はあるのか?」


「わかりません。臭いはあります」


 姿は消せても臭いは消せないとか。

 これではいつ襲ってきても対応できない。

 攻撃は防ぎようがないぞ。

 やっぱり引き返すか。

 頭の中で危険信号が鳴り始めた。

 これ以上は危ないぞと。

 危ないのはわかってる。

 わかってるけど、俺の正確が言うことを聞かないのだ。

 調べたいと。


「前に行くぞ」


「行きます」


 危険なのを承知で足を前に。

 一歩ずつ前に送る。

 どこだ。

 わかってんだよ…居るのは。

 もう一歩前に出るその時にシュナリが止めた。


「ご主人様。止まって」


「どうした…」


「よく足元を見てください」


「足もとを…これは」


 フロアの前しか見ていなかったので足もとには注意不足であった。

 俺の足もとには、ポッカリと大きな穴が。

 何だこの穴は。

 全く見えてなかった。

 しかもその穴の中には冒険者が居た。

 居たというより死んでいると言った方が正しいです。

 くたばっていた。

 動く様子はない。

 死んだ原因は穴に針が埋められているから。

 針が無数にあって刺さっている。

 体中に、痛そうです。


「串刺しだな」


「臭いがありましたが。まだ死んで間もないようです」


 死んだばかりでは、生きてるのと同じ臭いがあるとの事。

 さすがにそこまでは区別はつかないのか。

 まぁ無理もない。

 それにしても助かったな俺。

 シュナリが声をかけて止めてなかったら。

 俺も今頃こう成っていたのだから。

 ゾッとします。

 こんな死に方は嫌だ。


「命拾いしたよ」


「いえ…。遅かったくらいです」


 シュナリは真面目に反省しているようで、耳がダランと垂れてしまった。

 きっと俺を命の危険に晒したことを反省しているようだ。

 そこまでしなくてもいいのに。

 でも耳が垂れてるのは可愛らしい。

 耳を触ってみた。

 フニャッとしている。

 反省するとこうなっちゃうのか。

 一言言ってあげよう。


「耳が垂れてるぞ」


「きっと自分を情けなく思ったからだと思います。運が悪ければご主人様も串刺しになっていた。反省してます」


「シュナリがいたから死なずに済んだんだよ。これからも助けて欲しい」


「頑張ります。それと耳が垂れてるなら、胸も垂れてる可能性がある。確かめまてください」


 シュナリは両胸を衣服から露出し始め、垂れてるかを確かめててくれと。

 

「うわぁ! た、垂れてはいないようだぞ。わかったからもうしまおうか」


 両胸をさらけ出したのをみせられた。

 その大迫力な両胸は全く垂れてなんかいなかった。

 上をツンと向いていて形の良い胸をしている。

 もっと見ていたいが、先に行けなくなる恐れがあるので戻させた。


「もう戻していいの?」


「戻してくれ頼む」


 少し笑顔になったので安心しました。

 問題はこんなのが他にも存在してるのかだ。

 ムライ迷宮には遭遇しなかった。

 存在してなかったのか。

 偶然にも避けて通ったのかな。

 もうムライ迷宮は消滅しているだろうから、今となっては判断しようがない。

 下を見ながら歩く必要があるな。

 穴があるかを察知できるかな?


「穴は察知できるか」


「いいえ。わかりませんでした。ただ迷宮にはトラップがあると聞いたことがあります」


「トラップか…気を付けて行こう」


「はい」


 この穴の先にも道はあるが進めそうにないので引き返す。

 最初に選んだ左側のフロアへと戻って進んだ。

 足元に注意しながらなので神経を使いそうだ。

 1つとは限らない。

 魔法でフロアのトラップを調べるのはないのかな。

 例えばトラップを解除する魔法とかも欲しい。

 無いものねだりだよな。

 後から来るだろうミートは引っかかる可能性もあるけど。

 教えてあげたいのはやまやまなのですが、こっちも余裕がない。

 スマホがあれば通知してあげられますけど、連絡方法がないからという理由で引っかからないのを祈ってます。

 下を見てばかりいるとスノーシュリンプが先制攻撃してきた。

 危なく受けるところをかわして頭に打撃。

 今回はヒットした。

 後方に引いたぞ。

 もう一撃打撃してみる。

 またもヒットし、スノーシュリンプを撃破しました。

 1人でも倒せたな。

 コツがわかったようだ。

 シュナリは待機していて加わらなかった。

 俺に任せるようにして身構えるだけで終わった。

 この感じを忘れないでいこう。

 マップ上で確認してみたところ、行き止まりもあった。

 フロア全体図からしてここら辺が階段なのでは…。

 予想通りには見つからないので焦ってきている。

 ムライ迷宮では階段は見つからないことはなかった。

 同じ初級の迷宮でも内部の構造は違うらしい。

 もしかして全然違う方向に進んでいるのでは…。

 不安もよぎる。

 シュナリにも相談してみる。


「階段が見つからない」


「そうですね。もう一度入り口に戻ってから探索し直すのはいかがでしょう。見過ごしている箇所もあると思います」


「そうだな。ここを進んで行き詰まったら引き返すそう」


「はい。ご主人様。さっそくですが、あそこに見える物は何でしょうか」


 シュナリが指差したのを確認してみる。

 本当だ。

 何か壁にくっ付いているな。

 もう少し近づいてみよう。

 これは…ダイヤルの形にも見える。


「丸いダイヤルみたいだ」


「回せるかもしれません。しかしトラップの可能性もあります」


「どんなトラップに…」


「例えば…ダイヤルを回すと毒矢が飛んできたり、落とし穴に落ちたりといった仕掛けです」


「怖いこというな…」


 トラップだったらマズイな。

 シュナリの言うのも一理ある。

 穴に落ちて串刺しの冒険者も、何かに触れてトラップが発動したとも考えられる。

 危なく何も考えすに回すところであった。

 マップ上にダイヤルを記しておこう。

 うかつには触れないが、ムライ迷宮ではボス部屋への謎の重要なヒントになっていた。

 この迷宮のボス部屋への鍵の可能性もありえる。

 階段との関係はどうだろうか。

 例えば、回すと下の階層の階段が現れるとか。

 無いわけでは無いと思う。

 シュナリはどう思うかな。


「回すと階段が現れるてのは、どうかな」


「そこまでは考えてませんでした。階段が無いのは仕掛けを作動させると現れる。やってみる価値は有りそうです」


 シュナリも俺の意見に賛同。

 やってみる価値は有りそうか…。

 このままだとウロウロしてるばかりで時間が経つだけだ。

 賭けてみるか。

 俺はシュナリの顔を見ると、シュナリは縦に顔を動かして、やりましょうという意思表示。

 ダイヤル部分を持ってみた。動かせそうだ!

 左右にも。

 よし、動かしてみよう。

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