誕生日三週間前〜交流2〜
ヒタチ王子さんは社交的なヒトらしく、いろんなユーザーさんと活動報告で交流してはった。活動報告も頻繁にしてはった。
面白いコメントを返す個性的なユーザーさんが多かった。
ウチもたまに参加するうちに、他のユーザーさんが興味を持ってウチのことをお気に入りユーザー登録してくれたり、ウチの作品を読んでくれはることもあった。
楽しかった。
今まで積極的に交流することなんてなかったけど、交流するとこんなにエエことあるんやな。
交流したユーザーさんから作品に感想をもらえたときは、やっぱりとても嬉しかった。
この前投稿した、「星の王子さま」をテーマに書いたエッセイには何人かの方から感想をもらった。……
『サン・テグジュペリは児童文学なのに大人向けですから
小中学生には向かないかもしれませんねぇ
彼氏さんのいうように孤独や負の欲望に疲れた人間ほど
あるいは
想像力の旺盛で自我の境界が曖昧な幼児や
言葉の裏や意味を深く考え探るような大人ほど
この物語が語る
「本当に大切なもの」とか「仲良くなる」ということが心に染み入ってくるのかもしれません
某心理学者によればこういった感性は物質的にも精神的にも満たされた状態の人間や
「奴隷や家畜の幸福」ともいわれる「聖書宗教的幸福」に浸る人間には理解しづらいものらしいです
見栄と体面を保つことに振り回される王
賞賛の言葉しか聞こうとしない自惚れ屋
飲酒を恥じて、そんな自分を飲む事で忘れようとする本末転倒した酔っ払い
夜空に浮かぶ星の所有権を主張し、その数の計算に日々を費やすビジネスマン
星が1分に1回自転するため、1分ごとにガス灯の点火や消火を行なっている点燈夫
自分の机を離れずに世界を語る地理学者
などの近代社会を揶揄する人々や
ナンバーワンよりオンリーワンという歌の元ネタになったという
他者との比較で「本当に大切なもの」を見失い
「仲良くなる」ことで「薔薇」の大切さを知るシーン など
名作と言われるだけの材料は揃っているので
アニメや舞台など別のジャンルで見ると違った感想を得られるかもしれませんね
後は物語をシーンごとに分解解析して
「銀河鉄道の夜」と比較して見るとか
自分の語りたいテーマをどう表現するかという作者視点で見ると面白いかも知れませんが』
OLDTELLERさん、ていう男性ユーザーさんから。
ウチがこのサイトに登録したときに初めて感想をくれはった方。今までにも何回も感想をくれはったウチにとっては神様のようにありがたい人。
渋いいぶし銀のようなおじさまではないかと、ウチは勝手に想像している。
ふええ。星の王子様、ってこんな話やったかな。ずいぶん前に読んだから忘れてもうたわ。
エッセイでウチは、星の王子さまは名作とされているけど、昔読んだ自分にはその理由がよくわからなかった、というようなことを書いた。
ウチはウィキぺでぃあで今更ながら星の王子さまを調べてみた。
〜地球の砂漠に降り立った王子は、まずヘビに出会う。その後、王子は高い火山を見、数千本のバラの群生に出会う。自分の星を愛し、自分の小惑星の火山とバラの花を愛おしく、特別に思っていた王子は、自分の星のものよりずっと高い山、自分の星のバラよりずっとたくさんのバラを見つけて、自分の愛した小惑星、火山、バラはありふれた、つまらないものであったのかと思い、泣く。
泣いている王子のところに、キツネが現れる。悲しさを紛らわせるために遊んで欲しいと頼む王子に、仲良くならないと遊べない、とキツネは言う。キツネによれば、「仲良くなる」とは、あるものを他の同じようなものとは違う特別なものだと考えること、あるものに対して他よりもずっと時間をかけ、何かを見るにつけそれをよすがに思い出すようになることだという。……
キツネと別れるときになり、王子は自分がキツネと「仲良く」なっていたことに気付く。別れの悲しさを前に「相手を悲しくさせるのなら、仲良くなんかならなければ良かった」と思う王子に、「黄色く色づく麦畑を見て、王子の美しい金髪を思い出せるなら、仲良くなった事は決して無駄なこと、悪い事ではなかった」とキツネは答える。〜
わお、こんなに深い話だったとは思わなかったわ。
ウチは返事を打ち出した。
「調べてみると、アニメ化、映画化されたようですね。
映像で観ると、私の凝り固まった心でも素直に感じとることが出来るかもしれないな、と思いました。
作家の視点で読んでみる、分析して銀河鉄道と比較してみる、ですか!
それは気がつきませんでした。今までしたことがありません。すごく、勉強になりそうですね。
実はこのエッセイを書いたあと、ほとんど覚えていない星の王子さまの話が気になって、あらすじを調べてみたのですが。
薔薇を彼氏に置きかえて、キツネを知らない誰かさん、というようなマディソン郡の橋的なシチュエーションを想像してみました。(こらこら、ですね)
……ちょっと切ない感じが理解できたように思いました(笑 )」
次に来ていた感想はフルフルBEY大佐さん、というユーザーさんからやった。
この間知り合ったばかりのフルフルBEYさんは今、「蜻蛉の目から見た戦後」という変わった視点での戦後日本史を書いてはる。
『星の王子さまの作家、サン=テグジュペリは優れた飛行機乗りであります。あの時代リンドバーグにはじめ……(中略)総統の……反ナチズムが(中略)……共産主義と資本主義の(中略)……感情は破廉恥であり(中略)……ちなみにケネディ大統領暗殺は(中略)……願わくば 花の下にて(中略)……だから私は、彼の死に場所は本当はあの砂漠だったのではないかと思うのであります』
はあ。専門知識深そうなおヒトやなあ。
さすが、大佐。
……ど、どうしよう。なんてお返事したらええねん。
……後でゆっくり考えよ。
最後に来てたのは、初めてのユーザーさんやった。
『星の王子様、読んだことあります!
僕はあの話は人生のたとえ話をしているように思えました。なんかちょっと教訓くさいと思った記憶があります。
といってもなんか星の王子様って色んな人が訳していて、微妙に違うらしいので、違う人の訳とかで読んでみるとまた違う事が分かるかもしれませんね。
ちなみに僕は小学校のころ、「車輪の下」という本を読んで、さっぱり意味が分からず、先生にどういう本なのか聞いたら、もう一度読んでみなさい、と言われ、それもそうだと思い、また読みました。
でもやっぱりさっぱりわかんなくて、もう一度先生に聞きました。また読めと。分かんないからどこがいい本なのか聞いたのに! と子供心に怒った記憶があります(笑)先生不親切(笑)
ちなみに生涯で一冊の本はまだ見つかりません。
あ、でも初めて読んだ本は大人になって買いなおして持ってます。記念と言う事で。』
ふふ。
ウチは先生に何度も聞いている男の子の姿を思い浮かべて笑ってもうた。
かわいいひとや。
なんてかわいい男の人。
この人、絶対いい人!
ユーザー名は「カーネリア」さん。
ウチはお気に入り登録させてもろた。