ケイスケと別れた次の日
「ふう」
ケイスケと別れた次の日。
ウチは仕事から帰宅して一息つくと。
テーブルの上のスマホに手をやった。
今日、あわてて家にスマホを忘れて出勤したんや。
誰からか、メールきてるかな。
そう思って画面を開いたら。
うげっ!!!
メールが15通。
全部、ケイスケから。
「なあ、マコ、ほんまにごめん」
「ごめんなさい、これからお前に言われたこと気ぃつけるから」
「ごめんなさい、俺が悪かったわ」
「もう一度、会って話そう。お願いや」……
びっしりと。ほぼ一時間おきに。
きしょっ!!!
ウチはスマホを取り落とした。
なんやねん、ストーカーか、コイツ!
鳥肌が立った。
男は未練がましく、執念深いから、ストーカーになりやすい、てよう聞くけど。
こういうことやったんか。ホンマやな。コワッ!
ケイスケに嫌悪感が沸くとともに、新たな怒りもわいてきた。
ちゅーか、なんやねん、コイツ。
こんなにメール送る時間あるんやないか。
それやったら、なんで今までウチにメールの返事をひとつも返さへんねん、て話やろ。
今さら、アホほどメール送ってきやがっても。
もう、遅いんじゃ!
ああ、ほんまにつまらん男やったんやな。別れて正解や。ほんま、よかったわ。
ウチは更に納得して、ケイスケと別れた自分を肯定した。
よし、これからはめっちゃエエ男を探すんや。ウチの人生はこれからやで。
ウチはいそいそと再び出かける準備を始めた。
今日はキエコちゃんとユミちゃんの二人が、キエコちゃんの家で「別れておめでとう! マコの再出発の前途を祝う会」をしてくれるんや。
旨いもんとウチの好きな高いケーキを用意してくれるらしい。
残念ながらこの間からちょっと体調が悪くて、なんだかお酒も美味しゅう感じられんようになってて、今日はアルコールは遠慮するけど。
キエコちゃんの旨い手料理と。ユミちゃんの奮発したスイーツで。
今日はこれから大いに食べてみんなではしゃぎ倒すんや!
ああ、めっちゃ楽しみや。これからのウチの人生、楽しいことばっかり起こりそうな気がするわ。
ウチの人生は、これからが本番!
ウチは喜び勇んで、マンションの部屋を飛び出した。




