目覚めたとき 4
機械人形……ガーディアンは明確に俺を狙ってきていた。
鋼鉄でできた巨大な体で木々を軽々となぎ倒し、再びこぶしを天に掲げ、振り下ろす。
ガーディアンによって踏み抜かれた街の家々、
俺の足元で小さく震える女の子、
俺は鋼の剣を構えると、ガーディアンが振り下ろしたこぶしもろとも、
ガーディアンを一刀両断にした。
ガ……ァ……?
真っ二つになった巨大な機械人形は、
もろく崩れ落ち、風と共に消えた。
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街についた俺と女の子は、
街の生き残りに大歓迎を受けていた。
俺と女の子はまるで新婚夫婦のように扱われ、
次から次へと料理や酒がふるまわれる。
「これ、おいしい……」
女の子は不思議なことに、俺に食って掛かるでもなく、
運ばれてくる料理に舌鼓を打っていた。
(呪いがどうとか言っていたけど、
あれは結局なんだったんだろう……)
俺はそんな風に浮かんだ疑問を酒で押し流し、
そのまま溶けていくように眠りについた。
深夜。
来客用のベッドの上で、
俺は衣擦れの音で目を覚ました。
夜の光に映し出された少女の体が、
蛇のように俺を拘束する。
その手には、一本の刃。
俺はのど元をひとつきされる前に少女から刃を奪うと、
寝具を使って彼女を縛り上げ、拘束した。
「くそっ」
少女は悔しそうに歯噛みする。
「ひとつ、発見がある」
俺は少女ののど元に刃を突き立てると、
「俺も、キミを殺したくなった」
そう言って白い刃を軽く横に振った。
肉の手ごたえ。鮮血が、ベッドを汚した。