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目覚めたとき 1

その女の子は口から血を流しながら、

俺をにらみつけていた。


深い眠りから覚めたばかりの俺は、

鉄のように重い体を引きずりながら、

その女の子へと向かっていく。


「来ないで! 言ったでしょう!?

 私はあなたを、あなたを――」


殺したくて殺したくて、仕方がないんだ!


= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =


俺は痩せ馬の荷馬車で鞭を振りながら、

穏やかな日差しの下を走っていた。


荷車の方からはぐるるる…とお腹が鳴る音が聞こえてくる。

そろそろ休憩の時間だなと、俺は馬を道辺の木につないで荷車を覗き込んだ。


荒縄で手足をぐるぐる巻きにされた女の子が、

さるぐつわをされて横たわっている。


「じゃあ、縄を少し外すからな~?」


俺は女の子のさるぐつわをはずそうと手を伸ばす。

そしてさるぐつわをはずした瞬間――


「ぐっ!! がぁぁぁ!!」

「わっ!? こら! 危ない!!」


女の子は手足を拘束されているにもかかわらず、

俺を噛みつこうと器用にとびかかってきた。


俺は両手で何とか女の子を押さえると、

荷車と女の子をつないでいる荒縄をぐっと引っ張って、

さらに強く女の子を縛り上げる。


「な、なんで…」


女の子は肩で息をしながら、つぶやいた。


「なんであなたは、私を殺したいと思わないの!?」


俺はどう言ったものかと、

うーむと腕を組む。

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