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主人公が好きな脇役たち

 あたしは、初めての親友の恋の相談をもちろん応援『したかった』。

 けれど相手は学校の王子様のような人。親友に辛い思いをしてほしくなかったのだ。

 ただでさえ可愛くて目立つ親友は男子にモテる。それ故、以前も女子から嫌がらせをされたのだ。万が一生徒会長と付き合うことになったら、その日にはもう学校中の噂となるだろう。そしてまた女子からの妬みや嫉みが親友を苦しめることになるだろう。

 親友にはもっと穏やかに相手を思いあえるような、そんな相手と結ばれてほしかったのだ。大切な親友だから。


 あたしはチラっとクラスの男子たちが固まって話している窓際へ目を向けた。

 例えば、そう‐‐‐

親友が風邪をひいてしまったとき「これどうぞ」と、顔を赤らめながら、のど飴を親友に渡したクラス委員長。彼は一見ガリ勉メガネ君だが、親友のために一生懸命勇気を出したことがあたしにも伝わってきた。


 親友の後ろの席のサッカー部のイケメンスポーツ少年は、毎朝あたしたちに「おはよ!!」と元気に挨拶する。その時の親友に向ける笑顔が、明らかにあたしと違うと感じたのは、3か月ほど前だった。親友へ向ける瞳が暖かくて、あたしにもその瞳を向けてほしいなんてちょっと思っちゃったのは誰にも秘密。



 その他にも、違うクラスや上級生も含めれば4~5人ほど親友のことを好きだろうという人が思い付く。なぜか当の本人ではなく、あたしが彼らの気持ちに気づいてしまうのだ。それほど彼らの発言、行動はわかりやすいのだが親友は彼らのことなど目もくれず、一途に生徒会長様を想っているようなのだ。


 その中でも一番応援したい人物が、あたしの幼馴染み、太一(たいち)だ。



 太一は、あたしの家の近所に住んでる。幼いころから徒歩5分の公園でよく一緒に遊んだものだ。小学校も中学校も一緒に登校して、高校生になっても飽きずに隣にいる。太一はあたしにとって弟のようなもの。幼い時は泣き虫で、上級生の男の子に泣かされた時はあたしが慰めてた。それがあたしの役目だった。一緒にいるのが自然で、いないと寂しくて。喜怒哀楽を常に共有してた。


 だからかな?太一が親友のことが好きなことにはすぐ気付いちゃった。



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