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物語の主人公たち

初めて小説に挑戦します。文章がわかりづらかったり、読みづらかったりするかもしれませんが、完結できるように頑張ります!

 あたしたちは脇役だ。


 キラキラした主人公たちが笑って、涙して、そしていつしか大円団を迎える。


 読者たちから共感され、応援され、グッドエンディングを望まれる。


 そんなストーリーから置いてけぼりにされ、いつしか忘れられてしまう。




 あたしたちは「脇役」だ。






 あたしには親友がいる。

 高校に入って同じクラスになった。時にはちょっとしたことで誤解を生んでしまい喧嘩したり、一緒に動物ものの映画を観に行って号泣したり、流行のスイーツを食べてSNSに投稿してコメント付け合って笑いあったり、絆を強めていったあたしたち。

 どこにでもいるような女子校生だった。


 そこにちょっとした変化があったのはいつだっただろうか。


 おそらく今から半年ほど前。

 桜が蕾をつけ始めた頃だっただろうか……。




「わたし気になる人ができたの……」

 親友の、この言葉が発端だった。




 親友は、親友であるあたしからみてもカワイイ。胸元まで流れる色素の薄いサラサラな髪。色白で目はパッチリしてて、小柄で明るい女の子。男女問わず誰とでも仲良くなれちゃうという特技もち。カワイイが故に、一部の女子から妬まれたりしちゃったんだけれど、それも持ち前の明るさと負けん気の強さでクリアしてしまった。


 おっと危ない!

「クリアしてしまった」という言い方は誤解を招いてしまうかもしれないが、あたしはそんな親友が大好きだ。



 まあ多少はうらやましいし、悔しいような気持ちもないわけではないけれど……。



 ちょっと脱線してしまったが、そんな親友の気になる人というのが、この高校の有名人でもある生徒会長だった。


 なぜ有名であるか。

 勘の良い方はお察しすると思うが、この生徒会長、某アイドル事務所の某グループのセンターを務める男の子に似ているイケメンで黒いサラサラな髪に切れ長の瞳、スラリと伸びた高身長、成績は優秀でスポーツもできて、ファンクラブもあって、お父様が開業医でお金持ちときてる。

 とにかく「完璧」を絵に描いたような人なのだ。



 なぜ親友はこんな天の上に住んでいるような人を好きになってしまったのか。

 だって苦労することは目に見えているでしょう?



 そもそも親友はこの生徒会長のことを、最初はうさんくさい男だと思っていたのだ。

 こんな完璧な人知らないほうがおかしい。生徒会長は2年生、あたしたちは1年生だったが、黒い高級車で登下校していたら嫌でも目に付いてしまう。そして朝から女子たちに囲まれて、その綺麗な顔でお手本のような笑顔で挨拶をするのだ。その笑顔が親友曰く、「気持ち悪い、中身がない笑顔」なのだそうだ。



 生徒会選挙では彼が壇上で挨拶しただけで、女生徒からの歓喜の悲鳴が講堂中を包んだ。これは、この高校が創立しておよそ50年で初めてのことだそうだ。(定年間近の保健室の先生・談)

 そうして、それが初めからお決まりルートであったかのように生徒会長は生徒会長として選ばれた。



 それからわずか数日後の出来事だった。

 それもお決まりルートだったかのように、親友と生徒会長は廊下の角で

「きゃあああ!!」

「わぁぁぁあ!!」

 体当たりしてしまった。


「ごめんなさい!!」

「悪い!!」

 それが二人の出会いだった。


 三流の恋愛小説か!!とつっこみたくなった。でも実際にそうだったのだから仕方がない。

 それから学校ですれ違ったり、目が合ったりする中で、いつしか生徒会長を好きになってしまったらしい。

 それから冒頭の親友のセリフに戻る、というわけだ。


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