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よくわからないがさっきのやつはファミングっていうのか、僕は口元をぬぐいながら立ち上がった。しばらく歩くと僕が消してしまった村があったところに馬車が数台止まっていた。
『周辺の状況はどうだ』 ファミングとかいうピカピカ野郎が偉そうに周囲に命令している。
『血の匂いがするな・・・』 ヴァル少年が立ち上がり遠くを見つめている・・・
豪華な装備に身を包んだ人間が何人かこちらに向かって来ているみたいだ。
『いったい、誰だろうね』 僕が振り返ると3人はいなくなって僕一人になっていた。
あれ、きょろきょろしている僕に集団が近づいてくる。その中でも一番ピカピカしている人が近づいてきた。
次の瞬間、僕は地面とキスをした。口に広がる鉄の味、困惑する僕にピカピカした人は汚物でも見るように冷たい目をして僕の顔面に蹴りを入れた。
『つまらん、こいつは違うな、まるで力を感じない』 と言い放ち、周りの者に何か指示を出してきた道を戻って行った。
『立て、ファミング様の命令だ早くしろ』
『このあたり一帯には生存者どころか虫一匹、草一本も残っていませんでした』 兵士の隊長らしき人が報告をしていた。
『しっかりと探したのか、私はこの男を見つけたぞ、なにも見つけられないとはお前たちの目は節穴か』
まあいい、城へ帰るぞと一番豪華な馬車にファミングと数人が乗り込んだ。
隊長らしき人が僕に近づいてくる。
『あんた大丈夫か、回復薬だ飲んでくれ』
僕はお礼を言って薬を飲んだ、口の中の傷が治っていく。僕はもう一度お礼を言った。
『どうせあいつにやられたんだろう、女王のお気に入りだからって好き勝手やりやがって、ほんと頭にくるぜ』
隊長さんが愚痴っていると、豪華な馬車の窓が開き。
『そいつは俺が見つけた唯一の生存者だ、逃げないように縛って連れてこい、わかったかクズ共、さっさと準備をしろ』 ファミングは言いたいことだけ言って窓を閉めた。
隊長さんは俺に謝りながら僕が逃げれないようにでもきつくないように縛ってくれた。リーチェやヴァル少年やベアはどこに行ったんだろう。ゆっくり走る馬車の後ろを兵士の皆さんと一緒についていく。
疲れが全身にめぐるころ、目の前には夕日に照らされ赤く染まる城が見えてきた。
隊長さんがもうすぐで帰れるぞと部下の兵士たちに声をかけていた。
『帰る所か・・・』 誰にも聞こえない声で僕はつぶやいた。 あの泉で過ごした時間がよみがえる、この街に僕の帰るところはない・・・




