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赤目のハーン  作者: SSS
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2人でかなり集中して走っていた為かもう砦直前まで来ていた。地面に寝ながら顔を上げる。確かに調査に来ていきなり砦に突入はないな。


『ちょっと夢中になってて、リーチェありがとう、止めてくれて』


『まったくよ、早く終わらそうって言ったのは私だけど、やり方があるでしょう。こういうのはこっそりが面白いんじゃないかしら』

面白い、面白くないの問題なのか…


そろそろ暗くなるな、砦は誰もいないのかと思うほど静かで、日が落ちても灯り一つ点く気配が無い。砦の兵士はどこに行ったのか。なぜ無人のような様子なのか。


僕が難しい顔をして砦の様子をみていると、後ろから肩を叩かれる。振り向いた僕が見たのは、細長い布を頭にかぶり鼻の下で結んでいるリーチェとヴァル少年、そしてベア…


『さあ、潜入するわよハーンもこれをかぶりなさい。潜入時は万が一に備えて顔を隠すものよ、さあ、早く』


『さあさあ、ハーンみんなお揃いで楽しいじゃねーか。シュッと撒いてキュ、だぜ』


『ベアは意味あるのかな』

『こういうのは気持ちが大事じゃ、わしだけ仲間外れも嫌じゃ』


僕はみんなの姿を見て、同じように鼻の下で結び、横一列に並んで砦のほうを向いて並ぶ。


『では、手分けして中を調べましょう。ベアは上からお願い』

『承知したぞい』ベアがふわりと上空に浮かび上がる。

『ヴァルは正面の門開けてきて頂戴』

『はいよー、壊さず、静かにでいいんだろリーチェ』

『そうよ、私は砦の周囲を一回り調べるわ、ハーンはヴァルと一緒に正面で中を探って頂戴』


僕は頷く、『状況はハーンの頭の中でお互い確認でいいわね、では作戦開始よ』


闇に紛れ僕らはそれぞれの場所に注意深く近づく、正面の門は閉じてはいなかった。

『リーチェ、正面は開いている。人の気配は無い、どうする』

『そうね、ヴァル、念のため正面の門で待機して頂戴』

『ん、わかったここで待ってる』


ヴァル少年と別れて、砦の中に入っていく小さな中庭を通り過ぎたところでベアから連絡が入る。

『上から報告じゃ、砦の屋上に人影があるぞい。灯りもつけないでいるので細かいところは不明じゃ』

『リーチェよ、ハーン砦の周囲から見て外に面している覗き穴が全部埋めてあるわ』


人がいて、灯りが漏れないようにされている。敵の手に落ちているのは間違いないか…


『みんな、中を探ってくるから各自待機しててくれ』

それぞれから了解の返事をもらい、僕は中に入る。砦内はあかりがついていた…


曲がり角からを曲がろうとすると出会いがしらに人が出てくる。子供…


ブラドくらいの子供が走ってくる。なぜ子供がこんなところに。戸惑っていると。いきなり切りかかってきた。状況が把握できないまま腕を切られる。


子供は笛を吹いている。しまった油断した。反射的にその子供に鉤爪を突き立てる…

うめき声をあげて倒れる子供に駆け寄る。


『あ、大丈夫か』声をかける僕を睨みつけ。

『お母さん、国王様、やりました』そう言って僕を切りつけた剣を自分に突き刺す。

子供は目を開けたまま動かなくなった。僕はどんどん冷たくなるその子の手を握り呆然としていた。


『ハーン、大丈夫何かあったの、ハーン返事をしなさい』

『やばいぞ、屋上にも灯りが着いた。兵士らしきものがたくさん出てきたぞい』


みんなが何か言っているが、僕は子供の手を握ったままその場を動けずにいた。


『ヴァル、ハーンを連れてきて頂戴、急いで』

『わかったぜ、ハーンしっかりしろ、今いくからな』


砦の奥から兵士達が現れて、こちらに向かってくる。中には子供も混じっているようだった。

『敵がいるぞ。王様が言っていたものかもしれない十分気をつけろ』

あっという間に囲まれる。軽装でそれぞれに武器を持ったものたちがじりじりと距離を詰めてくる。大人も子供も敵意を真っ直ぐに向けてくる。

『カントから離れろ。許さないからな、よくも弟を、絶対に許さないからな』

涙を流しながら槍を僕に向けてくる少年…


そのとき僕の隣の壁が崩れる。

『ぼさっとすんな、こっちだ』

壁を壊したヴァル少年が僕を捕まえて外へ飛び出す。引きづられるように正面の門へ走る。

正面の門にも数人の兵士が出てきていた。扉を閉めようとしている、しかしヴァル少年は一撃で扉に穴を開け僕を連れて外へ飛び出した。そのまま森の中を進む。


僕は、僕は…


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