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カミラは最後までサチと僕に目を腫らしながら手を振ってくれた。ブラドは僕らより早くどこかに出かけたようだった。
僕らは身支度を整え、朝早く商業組合の詰め所まで向かい街へ向かうための馬を借りに来た。サチが組合の人に頼んでいる。
『ハーン、足の速い馬は今、1頭しかいないそうよどうする』
『この馬なら2人乗りでも十分早く走りますよ。その分借り賃も高いですけど』
ちょっと待てよ、僕は馬に乗ったことが無いや…そっとサチを見る。
『どうしたのハーン、この馬でいいかしら』
『サチ、ちょっと聞くけど馬に乗れるの』
『乗れるわよ』
そうか、よかった。僕は何も言わずに組合員にお金を渡して馬を借りた。
サチの後ろに乗せてもらいどこに捕まろうか迷っている僕にサチはそっと手をとり。
『ほら、ここよ、しっかり掴まって急ぐわよ』
サチの腰に手を回し、しっかりと掴まった。巧みな手綱さばきで風のように走る。あっという間に町の外れが見えてくる。
『ハーン、しっかりやれよ。俺達はいつまでも仲間だからな』
ブラド達鉱山隊の仲間が町の入り口から大声で見送ってくれる。
僕はその声に左手を上げて答える。
休み無く走り続ける僕ら、高いだけあって馬はほとんど休憩することなく走り続ける。
日が暮れかかる頃、遠くに街が見えてきた。
町の入り口にある商業組合の支店に馬を返し、とにかく孤児院へ2人で急ぐ。
孤児院の入り口には兵士の姿があり、子供たちは自由に外へ出られないのか姿が見えない。
『この孤児院は女王陛下の命令で出入りは禁止されている、用が無いものは近寄ってはならん』
『この孤児院の者です。中に入れてください。お願いします』
サチが兵士に頼むために近づくと突然兵士達に捕まってしまう。
『その手を放せ、女王の命令でここにいるんだろ。サチのことがわかるなら、僕のこともわかるんだろ。消し飛ばすぞ早くしろ』
僕は兵士達に威圧をかける。
『女王陛下の命令は絶対だ、逆らえばどうなるかわかっているのか』
いらいらする、そんなに女王が怖いか…目の前の僕よりも…
『どうなるんだ。いや、どうできるんだこの僕を』
僕は兵士の足元から黒い影を伸ばし両手足を地面にゆっくりと静かに縛り付ける…
『サチ、先に行け。みんなが心配だ。僕はこいつらに聞きたいことがある』
軽く頷きサチは孤児院の中へ入っていった。
地面に縛りつけられた4人の兵士は口々に喚き散らし、反逆だとかこんなことをしてとかごちゃごちゃいっている。
僕は地面にめり込むほどの力で1人1人を踏みつける。2人は気を失い、残りはうめき声をあげながら静かになった。
意識がある兵士に向かって、『僕の聞くことに答えろ』と言う。
言葉無く頷いたのを確認して続ける。
『シスターはまだ城にいるのか』兵士は頷く。
『子供たちに危害は加えていないだろうな』兵士は頷く。
『バロンはこのことを知っているのか』兵士は頷く。
『死にたくは無いか』兵士は目を見開き強く頷いた。
僕は兵士達の拘束を解き言い放つ。
『帰ってバロンに伝えろ。ハーンがすぐに来いと言っていると。わかったらそこで転がっている者も連れて僕の目の前からさっさと消えろ』
兵士達はふらふらした足取りで城のほうへ帰っていった。
その姿を確認してから僕はサチの後を追って孤児院へと入っていった。




