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赤目のハーン  作者: SSS
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夜行性の蟻は昼間とは違う動きのよさで動き回っていた。さすがに今朝の入り口よりは少ないが数は多いな…


僕は力を惜しみなく使い、首を落とし、壁や床に蟻を氷付けにして進んでいった。

『わかっちゃいるけど、もったいねーな』ブラド達は大量の蟻に対して腕が疼くようだ。


『気持ちはわかるけど、時間との勝負だからな』

わかってるわかってると足早に進む僕達。

さすがになれた道なので魂を吸収しながら13番坑道までは順調に進めた、13番の入り口で僕はおもわず足を止める。急に止まった僕にブラド達が後ろからぶつかる。


『どうしたハーン』鼻をさすりながら聞くブラドに静かに先を指差す…


覗き込むブラドが両手で口を押さえて、こちらを見る。

『何だあれ、はっきりとは見えねーけど、坑道の床がうねってみえるぜ、どうなってんだ』


順番にみんなが覗き込む、坑道も心なしか広くなっている気がする。

僕は左目で確認できるがあれは全部蟻だな…ここまでとは…


僕はブラド達に説明する。あの蠢いているのは全部蟻で読みどおりあの奥に女王蟻がいると思われること、一気に突破するしかないことを告げた…


みんなは怯えることなく表情を引き締める。

自分の親を殺された者を中心に口々に行こうと静かに士気を高めていった。しばらく様子を見ながら装備と作戦を確認する僕達。

蟻の蠢きは時間と共に少しずつだが収まっていった、夜明けが近いのかなと話し合う。


数人で見張りを交替してしばらくして蟻の動きがだいぶおとなしくなった頃ブラドが話しかけてくる。


『ハーンそろそろか、派手にいこうぜ、寝起きの女王様にご挨拶だ』


僕は軽く頷き、赤い力をどんどん高めていった、濃くさらに濃く僕の左目には全身真紅に染まった自分の姿が映る…


『ブラド、今から派手にぶちかますけど少しの間僕が動けないかもしれない…危ないと思ったらみんなを連れて逃げてくれ』


僕はブラドの返事を待たずに13番坑道に飛び出す…


『炎陣、展開3門、広域前面、焦土10式、解』

身体の奥底からすべて抜き取られるような感覚、立っているのがやっと…いや立っていられない…

僕は両膝をつきながら広がった13番坑道を炎で真っ赤に染め上げる、蟻共は焼け焦げ、身体についた鉱石も溶け出すほどの熱量が徐々に前へ前へと進んでいく。

燃え広がる炎は動きの鈍くなった蟻達を次々と飲み込み坑道を明るく照らした。


魂を吸収しなくちゃ…僕は意識が朦朧としていくのがわかる…やばい…気を失ったら終わりだ…

何とか魔法の制御を続ける、リーチェ達の補助無しではやっぱり無理だったのか…


後ろから声が聞こえる…


『ハーン、しっかりしろ。俺達がついてるぜ』

ブラド達は僕を支え、頬をひっぱたいてくれる。

『痛いぜブラド。でもお陰で目が覚めたよ』

魂をぐんぐん吸収していく、よし力はしっかり戻ってきている。軽くなっていく身体を感じながら僕は魔法の制御を続ける…


坑道は溶けた鉱石で金属の床のようにピカピカになっていた。坑道の奥深くから叫び声が響き渡る。しばらくして地響きが近づいてくる。来たか…



誰一人としてその場から引く者はいない…奥から近づく気配はどんどん近くなる。


僕は灯りのために炎を数個前面に飛ばす。以前見た大型の蟻に直撃して燃え続ける。


その炎に照らされた姿は他の蟻とは一線を画す姿、まるで別の生き物…

『さあ、ハーン、女王様にご挨拶といこうぜ』

ブラド…その台詞は俺が言いたかったよ。そう思いながら僕は頷いた。


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