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『あーあつまんない、あなた何をしたいの』
黒い板の後ろからいつか見た少女が姿を現す。人形のように表情のない顔で僕をまっすぐ見ている。少女のほうを向く僕に少女は一言。
『私たちと手を組まないかしら』 きょとんとする僕に無表情な少女は急に愛くるしい笑顔で
『私はリーチェよ小さい人、私たちと組むの組まないの、ハッキリしないのは嫌いなのよ私』
『僕より小さい子に小さい人って言われたくないよ、それに僕にはハクリスドーンって名前があるんだ、言いたいことはまだあるよ、私たちって君は一人じゃないか』
『へーなんか言いにくい名前ね、私達より弱いから小さい人なのに、あなたこれからハーンね、よろしくねハーン』
僕の言葉なんてどうでもいいことのようにしゃべり続けるリーチェという少女。
一人でこれからどうしようかしらとぼくの周りを行ったり来たり。しばらくするとハッと気づいたように立ちどまった。
『飽きちゃったわ、ハーン、私飽きちゃった。帰る前に、私たちは魂が欲しいの、それにハーンも魂を食べないと死んじゃうわ。あなたは私たちと組むしかないのよ』
リーチェはさらっとこんなことを言い残して黒い板の方に帰っていく。去り際に説明はあいつに任せるわって言って消えていった。
なんだったのか、魂を食べる。集める。あいつって誰。
『ハハハハハ、ちょっと遅れてヴァル様登場。』
僕の肩をバンバン叩きながらいつか見た少年が大きな口をあけて、やってやったな。スカッとしたぜ。とか言いながら僕をたたき続ける。心底楽しそうだな。
『あれ、リーチェはどこいった』 もう帰ったのに、いままで気づいていないことが驚きだ。僕は説明は任せるっていって姿を消したことを伝えた。
『ふーん・・・ほー・・・よっしゃよっしゃ、俺に任せとけよ、俺がどーんって教えてやるからよ』
大口を開けてガハハという感じで笑うヴァルという少年は笑い続ける。それからしばらく時がたった・・・
『だーかーらー、何でわかんねーかな、魂をぎゅってして、腹の底からどろどろってして、手をにゃーんってしてゴーだよ』
わからない、ヴァル少年が何を言っているのかまったくわからない。
『物分かりの悪い奴だな、もう一回わかりやすく言うぞ。魂をしゅっとして、腹からもぞもぞして手をパンでゴーだよ。これでいけるいける。』
最後のゴー以外毎回変わる説明・・・いけるいけるって何がいけるのか・・・ただヴァル少年は楽しそうに目の前でゴーって言っている・・・どうしたらいいんだろう僕は。
昇る朝日をバックに『ゴー』というヴァル少年を見ながら途方にくれていた。なんて1日だろうと。




