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僕らはいつものように13番の坑道へ着くと手馴れた動きで蟻の通り穴を塞いでいる岩をずらしていく。その間僕は13番全体とその前後の坑道に蟻がいないかを確認する。
『ブラド、こっちは大丈夫そうだ』
『ハーン、こっちも新しい蟻が通った様子は無いぜ』
いつもの確認が終わり、13番に見張りを1人、蟻の通り穴に連絡係を1人、僕を先頭に巣に乗り込む。
慎重に巣の様子を伺う、出口に蟻の気配なし。少し進むと少し開けた場所に出る。ブラド達を待機させてゆっくり進む…
今日は9匹か…大型はそのうち2匹、いつもどおり一気に行くか。
この場所を発見してから僕らの狩りは様子が一変した。蟻との戦いは時間との戦いでもある、時間をかけると他の蟻が寄ってきてしまうからだ、僕は蟻からたくさんの魂を吸収できていたので遠慮なく魔法を使うことにしていた。この数日で魔法の力加減や操作の感覚は格段に向上している。
僕は後ろで控えるブラド達に手で合図を送り、力を一気に全身に巡らせ、魔法を発動する…
蟻達を囲むように白い円を作り出し、内側に向って円から無数の針を伸ばす…
蟻達は串刺しのまましばらくもがき苦しみその動きを止めた。僕はすばやく全部の生死を確認、ブラド達に合図を送る、ブラド達もなれたものでよりよい鉱石から剥ぎ取っていく、ある程度の量になると剥ぎ取りと運び出しに別れ、効率よく鉱石を入ってきた穴の辺りに運んでいく。
魂を吸収しながら、周囲を観察する。ブラドから終了の合図が出される…
僕は蟻の死骸を氷で包む、炎で焼くよりも他の蟻達に気づかれにくいことから近頃はこの方法をとっている。念のため巣に繋がる入り口に例の粉を撒き最後に巣へと繋がる道を下がっていく。ブラドがなぜか戻ってくる。屈みながら僕に話しかける。
『やばいぞハーン、13番に待ち伏せしてる奴らがいる、みんな捕まった』
13番側から声が聞こえる…
『早く出て来い、こいつらがどうなってもいいのか』聞き覚えがある、僕が痛めつけた男達だ。
僕とブラドは仕方なく穴から13番坑道に出て行く。
そこには、例の大柄な男とカミラ、他の子供たちが刃物を突きつけられていた…
『カミラを放せ、このやろう』ブラドが怒りを込めて怒鳴りつける。
『妙なマネをしたらこいつらの命はねーぞ』男達はいやらしい笑いを浮かべ余裕をみせていた。
『ハーン、お兄ちゃんごめんなさい』今にも泣き出しそうなカミラ…僕は男達に対して激しい苛立ちを覚えた…
『こんなことをしてただで済むと思っているのか』僕の問いかけに男達は答えずさらに刃物をみんなに押し当てた…
男達は僕らの鉱石をみんなに持たせた。僕とブラドを縛り上げ男達は満足そうに笑い出した。その姿を見てカミラは泣き出してしまう、男は刃物の持ち手でカミラを殴りつけ黙らせる…僕の中で苛立ちが高まる中、男に声をかける。
『命を取られなかっただけありがたいと思えばよかったものを…』
大柄な男は僕を蹴り続け喚き散らす。
蹴られながらも僕は笑い続け、男を睨み続ける…
その場にいるカミラ以外のすべての人はそんな僕を驚きで見ていた…
カミラは僕を真っ直ぐ見つめていた。
『お前達は殺さない…それでは僕の気がすまないからね…』
僕の言葉を待っていたかのように坑道の奥から足音が聞こえた…




