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赤目のハーン  作者: SSS
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13番までの道のりは問題なく、しかしガルツさんが居ないだけでみんな緊張感が強く、このままでは緊張感に押しつぶされてしまうのではないかと思うほどだった。


僕はブラドに13番手前で休憩を申し入れた。

ブラドも過剰な緊張感を感じていたようで時間は早いが交代で昼休憩を取ることにした、僕はブラドにちょっと様子を見てくると伝え13番の入り口へと静かに歩を進めた…


ガルツさんの読みどおりだな、闇にうごめく姿が5匹…

僕は小さな火種を通路の真ん中に放り投げる。火種はすぐに消えた…蟻は動きを止め左目にはそれぞれの位置を確認した。

しばらく様子を見ていると、火種を投げた場所を確認しに5匹が集まってきた。


どうにかして1匹づつ、釣りだせないかな…


僕はそんなことを考えながらブラド達のところに戻った。

ブラドは上手くみんなを落ち着かせたようで適度な緊張感とやる気が感じられるいい表情をしていた。僕はみんなに提案する。


『この先に5匹蟻が居る、派手に行くか、1匹づつ釣りだすか』

ブラド達は少し相談して僕を見てこう言った。


『俺達はハーンの強さを信じることにした、何があってもかまわない、派手にいこう』

僕は嬉しいけど、複雑な気持ちのままみんなを見回し。腹を決めた。


『一気に倒して早く帰ろう』みんなから小さな声で歓声が上がる。士気も高いな。



僕らは灯りを小さくして13番の入り口に音もなく進む、僕はブラドに手で合図を送り、手に持った小さな灯りを壁際に投げつける、その反対側の壁に進み力を両手に込めて待機する。明かりを目指して蟻達がじりじりと進みだす…


まだ少し燃えている灯りに5匹が映し出されたタイミングで駆け出す。

『後ろだよ』蟻が僕に気づく前に通り過ぎる。蟻の首が2つ落ちる…

そして振り向きざま、この間のように正面から頭を貫く。

『これで3匹…』


残りの2匹が大あごを開いて左右から迫る、鉤爪をあごの外から引っ掛けて鋏まれないように横へずらす、強い力で外へ飛ばされる僕は前足を凍らせ蟻が前のめりに倒れたところで首を落とす。残りの1匹はギチギチとあごを鳴らして下がっていった…


『逃したか…ブラド。早く鉱石を』

みんなは待ってましたと言わんばかりに道具を手に蟻に群がる。ブラドの指示の元多少荒っぽい手つきだがみんな一生懸命鉱石を剥がしにかかる。


僕は蟻の逃げた坑道の奥を左目で注意深く見据え様子を伺う。


『ハーンこっちはもう終わるぞ、どうする引くか、進むか、指示をくれ』

魂を吸いながら坑道のかなり先に強い反応を感じた…


『ブラド、急いで引くよ』みんな採った鉱石を各自の袋に入れ注意深く下がって行く。

僕は死骸を1匹だけ残し魔法で焼き後ずさりながら13番の入り口まで後退、ガルツさんがくれた粉を丁寧に撒き様子を伺った。


しばらくすると一回り大きな蟻が残っている死骸を確認しているのを見て僕は入り口を目指して歩き出した。



少し遅れて入り口まで到着する。ブラド達は鉱石を持って歩いた為か、緊張が解けたからなのかはわからないがみんなで座り込んでいた。僕の到着を待ってみんなで鉱山組合の鑑定を受ける、結構いい鉱石だと思うのだが鉱石の評価は最低ランクになった。

『この鉱石がなんで最低ランクなんだ、おかしいじゃないか』

ブラドは納得がいかないと激しく抗議している、今日の受付は明らかに僕らを馬鹿にしたような態度で文句があるなら持って帰れと言い放つ。


『邪魔だぞガキども、ここは子供の遊び場じゃねーんだよ』

後ろから朝の大柄な男が声をかけてくる、男は僕らの鉱石を見て一瞬難しい顔をしたが、ブラドを乱暴に押しのけ鑑定をさせる。

結果は僕らの結果よりいいものであった、明らかに僕らの鉱石のほうが素人目に見てもいいのに…


『あらあら、今日の鑑定士さんは目が悪いのですかね』そこにはランさんとミヤが数人の仲間と立っていた。

『あかんで、今日は鉱石の価値がわからん奴やから損やわ、みんなもやめとき、やめとき』

大声で周囲に聞こえるように騒ぎ立てるミヤ。周囲の人達も何事かと集まってくる。


騒ぎを聞きつけて商業組合の人間もこちらに集まりだした。

『何事ですか、ハーンさん』そこにはペーターの姿があった。僕は事情を説明すると先ほどの男の鉱石と僕らの鉱石を見比べ。

『どういうことですか、これは、なぜこちらの鉱石がランクが低いのか説明してください』


鉱山組合の男はちょっと間違えただけだとランクを2つ上げ証明書を僕らに投げつけた。


『このことは鉱山組合にも商業組合にも報告させて頂きます』

とペーターは言い残し、僕らを連れて商業組合の場所へ連れて行ってくれた。

ランさんとミヤはにこにここちらに手を振って見送ってくれる。僕は頭を下げて感謝を表した。


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