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『狩りの時間だ…僕には、見えてるよ』
返事するはずの無い鉱石の塊に声をかける動かない僕に痺れを切らしたのか蟻が動き出す。
馬よりは小さいぐらいか…思ってたよりは小さいな。
身体には不釣合いにも思える大きなあごを開いてこちらを威嚇しているようだ、僕は迷わずその中心に飛び込み、掌から真っ赤な刃を口に突き立てそのまま片方のあごを切り落とした。
動かないことを確認し、魂を吸う、改めて周囲を確認する。左目に反応は無く、ガルツさんに合図を出した。
『これほどまでとは…』ガルツさんは片あごを切り落とした蟻を見て唸っている。
ブラド達は声こそ出さないが、始めて見る鉱山蟻とそれをあっさり倒した僕にテンションが上がっているようで蟻と僕の周りを囲んでひそひそ話している。
『お前達、今から鉱石の見分け方の方法を教えるからよく見て覚えるんだ』
ガルツさんはブラドに指示を出しながら黒鉄の見分け方と取り方をわかりやすく説明していた。ブラドも筋がいいのかガルツさんの指示を上手に実戦していた。
一匹の蟻から取れた鉱石は両手に一杯位になった。ガルツさんの説明では鉱山を掘るより蟻についている鉱石は純度が高いらしく普通に掘ったものより高値が付くらしい、なぜそうなのかはよくわかっていないらしい。
子供たちが始めて手にした鉱石に感動しているとガルツさんが『早く戻るぞ』と僕らを急がせる。ブラド達は不満そうに入り口に向けて歩き出す。
ガルツさんは僕に『後ろを頼む』といって先頭に戻っていった。その際に何かの粉を撒いていた。
帰りは何事も無く入り口にたどり着いた、ガルツさんは鉱石を持って換金してくれた、換金は鉱山組合の人間が鑑定してその結果、商業組合からお金が支払われるようだ。ガルツさんは小袋に入った銀貨を僕らに見せた。
湧き上がる子供たち、僕も始めて手に入れたお金に喜んでいた。
ガルツさんはその中の8割を僕に手渡した。袋の中身はあっという間に寂しくなった。
ブラド達からは悲しそうな声が漏れる…
『ブラド、これが正しい分配だ』
ガルツさんは子供たちに言い聞かせる。
僕は少し迷った結果こういった。
『ガルツさん取り分は半分にしましょう』僕は1人であること、万が一の時にみんなの安全を保障できないことを告げ、交渉する。
『今回は試しでもありますし、みんなでおいしいものでも食べましょう』
僕の申し出にガルツさんはすまないと頭を下げみんなで家に戻った。
家の入り口にはカミラがうろうろしながら待っていた。僕らを見つけると小さな足で駆け出してくる。
ガルツさんは鉱山仲間を集めに言った。サポさんにお使いを頼まれ子供たちみんなで買出しに向った。カミラは僕の服を掴みながら町を案内してくれる。
ブラドの指示で手際よく子供たちが分散する。僕とカミラとブラドは僕のために街を見て回った。
『おーい、ハーンやないの』ミヤとランさんが買い物していたようで声をかけてくる。
『運び屋どうにかなったん』
僕はブラド達とのことを話した。ミヤは笑いながら。
『子供同士なかようしいや』『くれぐれも気をつけてくださいね』とランさんにも声をかけられた。
去り際に『蟻の数増えてきてるみたいやから用心やで』と情報をくれた。
僕は2人にお礼を言って家に戻った。




