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赤目のハーン  作者: SSS
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村の広場の中心で笑い続ける僕。

『何がおかしい』気を取り直した村長が僕を怒鳴りつける。

めんどくさい、今僕は忙しいんだ、僕は自分の頭に浮かんでは消える言葉を整理するのに夢中だった。僕は頭の中で本を読むように自分の力を読み解く。


周囲は僕に何が起きたのか理解できない様子で誰も動けないでいる。

村長は返事をしない僕に我慢の限界なのか、となりにいた兵士から槍を取り上げその穂先を僕に向けて黙れ黙れと怒鳴っている。


僕は笑うのをやめた、そして心底つまらない想いを込めて村長に言った。

『まだ全部読み終わってないのに』

その返事に更に怒りを増した村長が何か喚いている、あーあもういいやまだ理解できていないけどちょっと派手そうなので脅かしてやろう。軽い気持ち。

そう軽い気持ち、皆が驚いて僕をバカにするのをやめてくれればいいって、思ったんだ。


『並行起動、術式五門全開放、散開』  僕は左手を空に向けて放つ。

次の瞬間、崩れ落ちる僕の体、なんだこれ、意識が遠のく中で周りが音もなく消えていくのが目に映った。



気がついた時は真っ白な中に僕は一人だった、村も人も森の入り口も今朝見た雪景色のように真っ白で、皆はどこに行ったんだろう。

『誰がやったかわかっているんでしょ』 大したことないとでも言うように声をかけられる。

声から逃げるようにその場から逃げ出す。森の泉に向けて走り出す。僕の通った後の白が舞う、それは灰だった。

『やったな、やってやったな』 心から楽しそうに嬉しそうに声をかけてくる。

そうだよ、知ってる、やったのは僕だ、こんなはずじゃ、ちょっと脅かそうと思っただけなのに・・・



泉についた僕は愕然とした、かろうじて形をとどめている泉の周辺、小鳥の声も、動物たちもいない、泉の水はほとんどなく底から徐々に湧いてきているありさま。

泉の水が元に戻るまで僕は動けずにいた、辺りは茜色に染まり、夜の気配が濃くなってきた。

『ナニヲオモウ、チイサキモノヨ』

わからない、後悔している、なにを、あのままでよかったのか、いやよくない、僕は何がしたかったんだ、わからない、これからどうしよう、わからない・・・

浮かんでは消える僕の思考、目の前の黒い板はただただ目の前に浮かんでいる。

いつの間にか僕は夜の闇に包まれていた。

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