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1日目の夜明け、僕達はお互いのことを話していた。
『ふーん、ハーンはそのまま城に居れば何も不自由せんかったのに』
『ちょっと思うところがあってね、どうしても自由になるお金がほしいと思ったんだよ』
『気になりますね、教えてもらえるのでしょうか』
僕はちょっと考えてからこう言った。
『まだ何も手に入れてないから、秘密で』
ミヤがけちけちいいやんわからんと余計気になるわーと騒いでいる。
ランさんは仕方がないですねと微笑んでいる。
『うちらは女ばっかの傭兵団でな、これから大きな戦争がきっと始まる、今は稼ぎ時だ。ってうちの団長がいうからあちこち分かれて資金稼ぎや』
『この国の様子と南の国の様子も分かれて調べているのですよ』
『いいんですか、そこまで僕に話しても』
どこの傭兵団でもやってることだから秘密でもなんでもないのですよ、とランさん。
傭兵は根無し草やから自分達の身を守る為にも得なほうにつかんとな、とミヤ。
縛られることがないということは、守られることもない、わかりやすい生き方かもな…
僕は何がしたいんだろう…サチ元気かな…
『ハーン、その顔は女やな、目の前にこんな美しい女が2人も居るのにいい度胸や』
僕はハッとしてあたふたしてしまった。
『なんや、当たりか。色ボケしとると蟻さんに頭からガブリやで』
ランさんはまあまあと僕をからかうミヤをたしなめている。
『でも、ハーンさんあなたの腕なら蟻は大丈夫でしょうけど、鉱石運びはどうするんです』
『うちらは先にいっとる仲間がおるから、問題ないけどな』
そうなんだよな、鉱山に着いたらお金を持ってない僕は食べることも困る状況だ、勢いで出てきちゃったけど商業組合も僕だけ特別には出来ないだろうしな…戦闘はいいけど…
『あんたは強いから何とかなるやろ』
考え込んでる僕にミヤは頭を撫でながら言ってくれた。
気がつけば辺りはうっすら明るくなってきている。護衛隊の人そういえば全然話しに加わらなかったな…
2日目はミヤ達と同じ馬車で移動することにした、昼はやることないから寝ときとミヤがいうので僕も昼寝することにした…
ん、苦しい…体が動かない…
僕は身体に違和感を持ったので目を開ける…
目の前にはミヤの顔が、むにゃむにゃ言いながらどんどん近づいてくる…慌てて身体を離す僕。
『あらら、あと少しでしたのに残念。ミヤさんは寝ると抱きつき癖がありますから』
とランさんが教えてくれる、出来れば早く教えてほしかった…
いつもはランさんは抱きつかれないように自分の大金槌をそっと身代わりにするらしい…
『うーん、よく寝たわ。なんか今日はよく寝れた』
そりゃそうだろ、金槌よりは僕のほうがいいと自分でも思う。
道中は何も起こらず行程も順調のようだ、二日目の見張りの時間がやってきた。
他愛の無い話を昨日と同じように続けているとミヤが急に立ち上がる。
『お客さんやで…』護衛隊の人に何かひと言いってミヤは暗闇の中に走り出した。
しばらくしてつまらなそうに1人の泣いてる子供を連れてミヤが戻ってくる。
『かわいいお客やったわ』
かわいいといいながら子供は苦手やといってランさんに押し付けて焚き火のそばに戻ってしまう。
ランさんは優しく話しかけるが子供はめそめそ泣くばかりで何も話してくれない、護衛隊の人もギルに報告に行ったのか姿が見えない。
『なにごとだ』ギルが起きてきて子供をじろっと見る。
ギルに見られた子供は一瞬身体を強ばらせ、次の瞬間、号泣した。
慌てるギル、ミヤ、護衛隊の人。あらあらとランさん。
僕は泣いてる子供の前に進み握った手を差し出した。
手を開くと同時に僕の掌に氷で出来た花が咲く、僕は昔を思い出しあの泉の周りに咲いていた花を再現した。
子供はぴったっと泣き止み、僕の手から氷の花を受け取った。
『君、名前は』
『私…カミラっていうの』小さな手で僕の服を掴みながら答えてくれた。




