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赤目のハーン  作者: SSS
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『マルク、私はまだハーンに詳しいことは何も話していない、引き受けるかどうかはハーン次第だ』


マルクは明らかに落胆して、地面に手を着いた。

『お願いします、ハーン様どうか助けていただきたい』地面に頭をつけてお願いしているマルク。とにかく話を聞かせてほしいと告げるとうれしそうに話してくれた。

聞かされた話は僕と無関係ではなかった…



女王から商業組合に緊急の命令が下ったらしい。内容は僕達が跡形もなく消し去った特別仕様の馬車の注文、物資も人手もぎりぎりでやっている商業組合では戦争準備の為の物資確保にも流れてきた傭兵なども使い女王からの依頼を何とかこなしている状態。職人達も日中訓練などに借り出される為、街全体の生産性も落ち込んでいるところにこの話し。

南の国との戦争もいつ始まるかわからない状態でかなり急ぐようにと女王からの催促があり、マルクもだいぶ苦しい立場に追い込まれているみたいだ。

悪いことは重なるもので、馬車の装甲に使う黒鉄の鉱山で問題が発生しているらしい。


『鉱山の奥で鉱物蟻の巣と繋がってしまいまして、ただでさえ希少で少ない黒鉄が今ほとんど取れない状況なのです』


『騎士団も手助けしたいとは思うのだが相手が悪くてな、鉱物蟻は黒鉄を好んで身体につける習性があって武器が通りにくい。今の緊張状態ではどちらにせよ騎士団を動かせないからな』


魔法兵団はファミングの件でごたごたしており役に立たないらしいし、傭兵たちも雇って鉱物蟻を少しずつ倒して身に着けた黒鉄を少しずつ集めているそうだが、群れで生きるため各個撃破が難しく、狭い坑道での戦闘に実力のない者は返り討ちにあう者が多く、最近では傭兵も集まらないらしい。


『ハーン様、危険な分報酬は多く、現地には商業組合の人間が皆様の補助をさせていただいております。どうかお助けくださいませんか』


『ハーン、私からも頼む。マルクほど有能な者を女王陛下の機嫌で路頭に迷わせるわけにはいかない、商業組合は国を支える大事なところ、みんなが困ってしまう』


2人は僕に頭を下げてそういった。

『2人とも止めてください、元はと言えば物の価値もわからず、派手に消し去った僕が原因みたいなものですし、僕もお金が必要なのでやらせて下さい』


マルクは飛び上がる勢いで僕に飛びついてきた。

『詳しいことは移動しながら説明させますので。誰かいないか、今日出発の鉱山行きの馬車を待たせて置くように早く手配してくれ』


パタパタとマルクは僕を連れて外へ向って走り出す。慌てて追いかける僕とバロン。


外へ出ると、大きな馬車を全身で止めているマルクがいた。

『詳しいことは道中、ペーターから説明をお聞きください、鉱山までは大体2日くらいかかります、向こうでも食料等待っているのでお早くお乗りください』


僕は進められるまま馬車を操っているペーターの横に座った。

『バロン、女王とサチに僕は城を出ることと鉱山にいってくることを伝えておいてくれないか』


『わかった、確かに伝えとくから、頼んだぞ。気をつけてな』


ペーターは馬に鞭をいれ、馬車は鉱山に向けて走り出した。

サチに話ができなかったな…帰ってから説明すればいいか…


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