34
困った、気づけばもらい物と人の世話にばかりなっていて僕はお金持ってないじゃないか、どうしたものか…
『ハーン、私は悲しいわ、甲斐性なしだわ』
『そんなことではサチに見捨てられる日も近いかのぉ』
『宴会の為にもパーッと稼ごうぜ』
いつの間にか現れた3人はそれぞれ好き勝手に話しだす。でも確かに僕に自由に使えるお金はない、女王も客として生活は面倒見てくれてるけど、雇われてるわけじゃないし雇われるのは避けたい…
『まずは城から出て行くことにしよう、ある程度まとまったお金を稼いでからだけど』
3人は概ね賛成みたいだ、城は堅苦しくて嫌とのこと、それは同意だけどね。
僕はバロンに会いに騎士団へ向った。今日も騎士団の訓練は熱いな、戦争始まるのかな。
訓練が終わるまでそんなことを考えながら眺めていた。
そんな僕に近づく人影。
『ハーン団長に何か用事ですか』
『やあ、エリオットちょっと相談があってさ』
エリオットは訓練の指揮をとるバロンを呼びに行って指揮を変わってくれたようでバロンがこちらに歩いてくる。
『相談があるそうだが、どんな事情なんだ』
僕はバロンに城を出ようとしていること、そのためにもある程度のお金を用意したいことを話した。
バロンは腕を組み心当たりを考えてくれているようだった。
『ハーンくらい戦えれば、日銭を稼ぐぐらいは、城の近くの魔獣や獣を狩れば十分だと思うが、纏った額となるとな…あれしかないか』
バロンの言うことには、魔獣からは装備品の材料や一部薬の原料になったりと結構いい値段で商業組合が買ってくれるらしい、獣は食用に売ってもいいし、食べてもいいとのこと。
戦争がいつ始まるかわからない現在は買値が上がっているようだ。女王からの圧力により商業組合も物資集めに必死らしい。
『あって話をしたほうが早いな、ちょっと待っててくれ』
バロンは訓練を指揮するエリオットのところに行きないやら話してから戻ってきた。
着いてきてくれといって街のほうへ目的地も教えずに歩き出す。
しばらく歩くと人の出入りの多い建物についた。
『ハーンここが商業組合だ、さまざまな品物の買取、販売が行われている。ここ以外での売買はお勧めしないな、目利きが出来れば別だが』
『よく覚えとくよ、僕に品物の価値なんてわからないからね』
バロンは慣れた様子で中へ入りたくさんあるカウンターのひとつへ向い受付に話をしている。話しが終わったのか僕に手招きしている。
『商業組合の代表に会うから着いて来てくれ』バロンはそういってカウンターの奥へ入って行く。僕もそれに続く。
僕らは長い廊下を歩き一番奥にある部屋まで進んだ、バロンが扉を叩く。
『バロンだが入ってもいいかマルク』
部屋の中からどうぞどうぞと声がする。
『忙しいところ悪いなマルク、紹介しようこちらがハーンだいい腕をしている』
『これはこれは始めましてハーン様、女王のお客様で不思議な3人の従者を連れている方と、お噂は組合にも届いております。』
マルクは人のよさそうな笑みを浮かべ愛嬌のある丸めの身体を頑張って二つに折り僕に挨拶した。
『そういえば、アルのことありがとうございました。ああ見えて腕のいい職人なのでもし何かあれば組合の損失になるところでした。今は物資も人手も足りなくて困っているんです』
マルクの肩越しに見えた先には立派な机に山積みの書類が見えた。
『マルク、今日ハーンを連れてきたのは女王陛下のあの依頼の件についてだ』
『バロン様、あの件とはあの件で間違いないですか、助けてくださるのですか』
マルクは僕の手を両手でしっかりと掴み、涙を流してお礼を言い続ける。
よくわからないが抱きつくのは止めてほしいと思いながらあの件ってなんだろうと考えていた。




