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部屋に帰るとそこにはサチュリスが待っていた。
『助けていただいてありがとうござました、女王陛下より衣類が届いております』
渡された衣類は赤を基調としたローブであった。赤い小人…皮肉だな。
いつまでもボロボロのこの服を着ているわけにも行かないか。僕はサチュリスから見えない位置で着替えを行う。
『どう、変じゃないかなサチュリス』いつの間に測ったのかと思うほどぴったりな大きさの服装をサチュリスに見せる。
『とってもお似合いです』サチュリスは一言そういうとちょっと戸惑いながら続けた。
『私のことはサチと呼んでください、嫌でなければ』
『わかったよサチ、僕のことも様付けは要らない、それが条件だ』
サチは困ったように笑いながら『はい』と返事をした。
部屋に用意された食事を食べるとサチは食器を片付けながら。
『ハーン、今日は本当にありがとう、そしてごめんなさい』
『気にしないで、僕も説明が足りなかった、お互い様だよ』
サチはそれを聞くとほっとした表情で食器を持って部屋から出て行った。おやすみなさいと言い残して。
僕は無駄に広いベッドに横になると目を閉じた。
『ハーン、ハーンったら起きなさい、起きなさいったら、鞭でしばくわよ』
『ハーン、遊んでくれよ、暴れようぜ、自分だけ楽しんでんじゃねーよ』
『なかなかよい娘ではないか、どう思っているのだワシに話してみよ、遠慮せずに、ほれほれ』
うるさい、僕は疲れてるのに…もう頼むよ…
広い部屋に3人の声が響く、僕は眠りから引き釣りだされた。と思ったら本当にベッドから落とされた。
『さあ、ハーンも起きたし今日の反省会を始めるわよ』
リーチェは楽しそうにそう切り出す。
いつの間にか4人で円陣を組むように広い部屋の真ん中に座る、誰も何も話さないまましばらく時は過ぎ…
『有罪よ』『有罪だな』『有罪じゃよ』と3人同時に僕に言葉をぶつける。
『ちょっと力が使えるようになったからって調子に乗りすぎよ、バカだとは思ってたけど、ハーンは大バカ決定だわ』
『ハーンだけが暴れるなんてうらやまし…いや、危ないじゃないか、死んだら俺達も困るっていうのに、それにしてもうらやま…』
『おまえさんあの娘のことどう思っておるんじゃ、気になる、気になるわい。わしはわからん事があるのが一番気になるんじゃ、知りたいのぉ、知りたいのぉ』
もう、僕は今までの僕じゃないぞ、腹に力を込めて。
『3人ともちょっと黙ってもらえないか』静まるその場。
『リーチェ、確かに僕は力の使いすぎを起こしたかもしれない。けれども、力の量がどれほどか確認する方法があるのかい、僕は聞いてないけど』
『ヴァル少年、君の本心は自分が暴れたかっただけだろ、僕の生死はついでだろう』
『ベアさん、まだ会って1日の子に対してどうこう思えるほど今日は暇ではなかったよね、それにどう思おうが僕の勝手じゃないか』
3人はその場に固まったまま僕を見る。その反応を見てから僕はひとつ咳払いをして。
『力の使い方、使いすぎには十分気をつける、今日は疲れたから先に休ませてもらう』
僕は3人に頭を下げ、ベッドに横になった。
遠くなる意識の中で3人の話し声が聞こえたような気がした…明日は何が起こるのかな…




