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女王は静かに、強い声で言い放つ。
『始めよ、プラシィ』
大げさなしぐさでファミングが一礼し、僕の顔を杖で上げさせる。
『真実を答えよ、あの村の状況を、お前が知るすべてを』
顔を上げた僕は微笑むと一言。
『僕がやりました』と
周囲がざわつく、ファミングの奴は状況がつかめないのかポカンとしている。
表情を変えない女王とざわつく周囲、ポカンとしているファミングを無視して僕はもう一度言う。
『僕がやりました』
ざわつきは大きくなり、変わらず表情を変えない女王。
突然振り下ろされる杖、僕は転がるほどの衝撃を受け床を転がる。
『バカな、お前のようなものにあのような力があるはずない、女王陛下の御前でそのような嘘をつくなど、許さん、許さんぞ』
大げさなこと…僕は見下した目でファミングを見る。
周囲のざわつきはさらに大きくなる、広間は混沌となり、収集のつかない状態になっていた。
ファミングが手をかざし僕に何かしようとした瞬間。
『静まれ、皆の者、プラシィも落ち着け』
ざわつきの中でも響き渡る女王の声、すぐに訪れる静寂…
『しかし、女王陛下、この者は』
『落ち着けといっている、この私が』
ファミングは黙り僕を睨みつける。
静かな広間に動くものはなく、静寂はしばらく続いた。そして…
『その話は真実か、話してみよ』
女王は新しいおもちゃを見るような目で僕を見て言った。
『女王陛下、真実です』
僕の目を見ながら女王は続ける。
『そなたの目は片目だけ赤いがどうした』
僕は自分の目の色等見たこともない、答えずにいると女王は続ける。
『赤い小人よそなたの名はなんと言う』
女王に始めの冷たい表情はなく、僕に向けるのは好機の目。
それでも黙る僕に痺れを切らしたファミングが進み出る。
『恐れながら女王陛下、こやつの言うことを信じるおつもりですか』
女王はしばらく考えるそぶりを見せ、顔を上げた。
『プラシィの言うことももっとも、しかし本当にこの者があの状況を起こしたのなら、わが国にとって有益ではないか』
ファミングはその言葉を待っていたかのように語りだす。
『では女王陛下、この者と私が手合わせを行えば簡単にわかること、許可を頂きたい』
女王は静かにうなづく、周囲はときが動き出したように騒ぎ出す。ファミングの力を知る周囲は誰もファミングの勝ちを確信していた。僕の耳に入る雑音は僕の無様な負けを期待する声ばかり…
僕は笑いをこらえるのに必死であった。その姿を見ておびえていると勘違いでもしたのかファミングが優しく声をかけてくる。
『嘘など言わずに女王陛下に誤り、この私に謝れば優しい私は命まではとらないぞ』
周囲からドッと笑い声が上がる。
その笑い声をかき消すように僕は笑い声を高らかにあげる。広い空間に僕の笑い声だけが響き渡る。
そして一言。僕は女王をまっすぐ見つめたまま。
『ファミング様のお気遣いは無用なので』
ファミングの手が光り輝いていた。




