おりじなる。
○目次○
○幸せの時間・・・・・七月四日作成
○ララバイ・・・・・・八月十九日作成
○閑吟集・・・・・・・作成日不明
○愚者・・・・・・・・十二月三日作成
※本誌掲載作品の著作権は
全て著者・聖天三月にございます。
『幸せの時間』
吹き上げるこの想い
光に反射して
鏡に映る心の姿
かすかに音をたてて…
迫ってくるような水圧を
今
私なりに受け止めよう
溢れ出しそうな言葉を
スイッチと共に切られるこの瞬間を
長く
少しでも長く
忘れたくない
覚えていたい
揺らめく光
静める想い
切って
切り落とされたスイッチは
瞬間止めたかのように
幸せだった
『ララバイ』
違ったの?
ただ形だけに捕らわれた鏡のように
言葉だけつなげて
キレイなフリしてた
「確かなモノ」なんて
いったいドコに落ちているというの?
自分をキライになって
他に真実はあるんだっていえる?
だってそうじゃないか
君はいつだってボクをだまし続けて
ボクを蹴っ飛ばしては一人で去ってゆくんだ
だってそうだろ
君は泣いていた
知ってたの?
ただ理想ばかり追ったピエロみたいに
夢だけ描いてさ
ステキなフリしてた
「確かなモノ」なんて
いつドコに書き記したというの?
自分を傷つけて
人を信じられるつもりでいるの?
だってそうじゃないか
君はいつだってボクにぶつかって来て
ボクを連れまわしては一人で泣くんだろう
だってそうだろ
ボクは待ってるよ
だってそうじゃないか
君は自分を傷つけて責め続けて
ボクのことなんか頼ってなんかいないんだろう
だってそうだろ
君を好きなんだ
『閑吟集』
貴方にはもう届きましたか
風を便りに季節は訪れた
もう既に紅に染まっていた
覚えています
あの僅かな実りを
覚えていませんか
あの短い季節を
思い出せないのは
貴方が私を忘れてしまっているからです
『愚者』
この世に涙さえなければ
こんなに悲しくなることもないのかな
この世に生まれたことが誤りかって
何度、何度と思っては
どこを確かめるわけでもなく
前を見すえて
今日まで歩いてきたよ
この世に涙さえなければ
もうきっと悲しみをこらえることも
もうきっと心塞ぐようなことも
自分を責めることもきっと
ありえなくなるのに
どうしてこんなに涙は
素直なモノなのだろう
この世に涙さえなければ
水や海水、
液体全てなくなるのだろうか
この世から悲しいことさえなくなれば
きっとその先
地球はきっと青くない
涙と悲しいこと
私にはもう止められない
あなたと出会って
次から次へと溢れ出す
意味がないと言われ
止められ否定されていた私
「もう甘えてもいいですか・・・?」
腕をつかんであいづちされたけど、
どれもみんな放された
怖かった
その笑顔が
その言葉が
信じられない
誰なんだろうって
私が聞きたかった
「ありがとう」
「ごめんね」って
私の悲しみが
涙が言ってる
作成日○平成二十五年十月一日