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イロドリ  作者: 神無月
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宝物

拝啓 あなた様


如何お過ごしでしょうか


この間送ってくれたもの


大切に飾ってあります


あれはとても輝いていて綺麗で


私にはもったいなく感じます


埃が積もらないように


毎日眺めては取り出してみています


時には眺めながら


ちょっと涙を流したりもします


時には


笑ったりもします


あなた様は


私の送ったものはどうされているでしょう


まず


それがあなた様に無事に届いたかどうかが気になります


あなた様も私と同じように


それを眺めて下さっていますでしょうか


あなた様も私と同じように


それを眺めて泣いたり笑ったりしていらっしゃるのでしょうか


同じものを同じ時に


私とあなた様が手にすることができたことは


私にとって至上の喜びでございます


これで


いつ私があなた様から離れることになろうとも


私は満足しながら生きていくことができます


何があっても


満足しながら死ぬことができます


それほど、私にとっては大事なものなのです


あなた様にとっては


いかがでしょう


それは金木犀の香りがいたします


それは雨粒が屋根のトタンを叩く音がいたします


それは虹が空にかかるように鮮やかでございます


それは赤とんぼのように可愛らしくございます


それは朝方庭に集まるスズメたちのようでございます


それは子供達の笑い声のようでございます


それは食卓に並ぶ馳走のようでございます


それはあなた様そのもののようでございます


あなた様にとっては


いかがでしょう



あなた様にとって


それが代え難い宝物になることを


心から願っております



草々








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