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十一話
「『眼球破壊』!」
僕はこのフロアにいる全ての動物に対して眼球破壊を行った。
生きているもの、死んでいるもの、関係無しに。
もちろん、自分にでさえも。
視界が奇妙に歪み、ぶつりと光が途絶える。
そしてやってくる尋常でない痛み。
『結局、誰が犯人だったんだろうな』
薄れゆく意識の中で、誰かが呟いた。
『ま、俺だけどな!』
……信田、か。
嫌な奴を思い出したな。
ま、嫌いじゃないけどね。
「…………」
何を言うでもなく、何をするでもなく。
しかし、僕は笑いながら死のうとした。
かすかに、微笑んで。
『知ってるよ、そんなこと。お前が犯人じゃなくて、誰が犯人なんだよ』