第7話 さてどっちでしょう?
翌朝、身体がちゃんと元に戻ったままであることを確認した兄妹。
そして闇の精霊オロンとクムサスは精霊契約を無事に結び終え、見届け人として守護神ウィンディア様も同席してくれた。
クムサス「これでやっと精霊契約を結べたな!えっと名前なんだけど…。」
リアナ「ロロちゃんがいいと思うのっ!可愛いし。」
クムサス「なんでお前が決めるんだよ。」
リアナ「名前くらい私につけさせてよ~。」
ウィンディア「ほほ。精霊契約では契約主が精霊に名づける決まりでの。残念じゃが…。してクムサスよ、なんと名づけるのじゃ?」
クムサス「……スノーメルと名付けようと思います。」
ふむと手をあごの下に置きつつウィンディアが言う。
ウィンディア「意味はあるのかえ?」
クムサス「メルトは融解を意味します。ここ北の大陸は一年を通じて雪や氷に覆われることが多いから、春が待ち遠しい“雪解け(スノウメルト)”から名付けました。」
オロン「僕の名前はスノーメル…。」
クムサス「…嫌かな?僕とリアナはよく喧嘩するから、君が時々融かしてよ…。ね?スノーメル。」
スノーメル「ううん!ぼくはこの名前が大好きになりました!ぼくはスノーメルです!ウィンディア様!」
嬉しそうに跳ね回りながらスノーメルは言う。それをほっこりとした気持ちで見守りながらウィンディアは承諾した。
リアナ「お兄ちゃん、すっごく可愛い名前!メルちゃん!私ともよろしくねっ!」
スノーメル「うん!よろしくお願いします!リアナさん。」
リアナ「リアナでいいのに…。呼び捨てでいいよ!」
ウィンディア「精霊契約の決まりでは。主従関係を明らかにするためにある程度の敬語は必要なのじゃ。まぁ主従関係はクムサスと結ぶのじゃがな。」
クムサス「それでよそよそしい敬語なのか…。仕方ないけど、僕の事も出来れば呼び捨てがダメならせめてリアナと同じにしてくれよ。」
スノーメル「ご主人の事は、ご主人と呼びます。」
クムサス「えぇ?!主人なんて…なんだか恥ずかしいな。」
ぽりぽりと頬をかくクムサス。リアナははしゃぎながら次々とスノーメルに質問していた。
リアナ「メルちゃんは何を食べるの?お砂糖?パン?」
スノーメル「人が食べるものであれば少しなら僕も食べられますよ?あまり必要ないですが…。」
クムサス「そうなのか。精霊もご飯を食べられるなんて知らなかった。」
リアナ「好きな食べ物は?パン?クッキー?」
クムサス「さっきからパン、パンって…パンはリアナの好きな食べ物だろう?」
はしゃぐ兄妹に、ウィンディアが声を掛ける。
ウィンディア「わしはそろそろお暇させていただくでの。積もる話もあるじゃろうから、後はスノーメルと仲良くしてやってくれ。」
その言葉にあ!と兄妹はしゃぐのを止め、守護神ウィンディアへ向き、お礼を言う。
クムサス「ウィンディア様。無事身体も元通りになりましたし、精霊契約も結べました。本当にありがとうございました。」
リアナ「神殿に言ったら毎日お祈りします。ありがとうございました。」
ウィンディア「よいよい。此度の事は我が眷属たちのおいたが原因じゃからの。神殿に来た折には困ったことなどあればお祈りがてらに、また報告してくれればよい。」
クムサス&リアナ「はい。本当に本当に!ありがとうございました。」
深々と頭を下げる兄妹に「ではの。」と声を掛け、ウィンディアは姿を消した。
ふと気づくと窓からは、日が昇り燦々(さんさん)と朝陽が差し込んできた。
スノーメル「あのぅ…。学舎の方は…大丈夫なんでしょうか…。」
スノーメルがおずおずと告げてくる。そこへ母メリルの怒声が届いた。
メリル「そろそろ支度しなさいっ!遅刻しますよっ!」
子供の頃、誰もが一度は聞く親からのお説教を聞きながら慌ただしく身支度を整える兄妹。
クムサス「またこんな朝か。」
リアナ「最近ずっとこんなだよぉ…。朝はゆっくりしたいの…。」
ご飯をお掻きこみ、玄関へ走る。今日は言ってきますのキスもなく学舎へ向かうのだった。
クムサスはやっと4年生の授業を受けられるようになって喜んでいた。
そして今日は彼の一番好きな授業、騎士科の授業だ。馬術の修練はなく、純粋に体術・詠唱術の授業になる。
ウォレス「クムサス。身体が戻ったんだろう?どうする?弓で行くの?それとも剣に戻すの?」
イースレイ「身体が戻ったならやっぱり剣だよな?な?」
クムサス「ふふん。今日は弓で行く。だけど詠唱術も使うから僕がアタッカーをやるよ。」
イースレイ「えぇー?!剣じゃないのか?!最近負け続きだからつまんないよ。ちぇっ!」
ウォレス「もしかしてクムサス、なにか考えがあるの?」
クムサス「うん。リアナからずっと負け続きだった内容を聞いてて考えてたんだ。僕が弓で行った場合の勝ち方を。」
イースレイ「ぉお?!いいぜ!何か秘策があるんだな?!」
「いいかぃ?」と、こそこそと3人で作戦を練り始めるクムサス。彼はジェイドに弓で勝つことをここ最近熱心に考えていた。
リアナにはとことん甘いクムサスだったが、彼は体術に関してだけは負けず嫌いだ。そしてそれには別の理由もあるのだが…。(※4話の閑話にて)
ピーッ!試合開始の合図とともに校舎裏の林に散会するクムサス達。ジェイド達は近接戦闘が得意だが、対してクムサス達は遠戦(揺動作戦)が得意だ。
ジェイド「ここ最近はずっと勝てている。いつも通り、まずはナイフでの近接戦闘をするイースレイから叩くぞ!」
ロイス「分かりました!」
グランツ「私から前に出ます。」
ジェイドは剣と攻撃唱術と盾を使った中遠戦闘(アタッカー役)、ロイスは回復唱術と盾(回復役)。グランツは盾と槍の近距離戦闘(タンク役)。
グランツで防御しながらジェイドが攪乱と攻撃、ロイスは回復と身体強化の唱術と盾で更に防御に回るのでかなりの防御特化している。ジェイドの攻撃力があってこそのチームワークだ。
ロイス「また懲りずにクムサスは弓か。攻撃力が無くてこちらには大したダメージがなくて、暇なもんだけどな!」
グランツ「そう言うなって!ジェイドがいればまぁ、こっちは勝ったも同然だけどな!」
ここのところ勝ち続きで慢心しているグランツとロイスに対して、3年の頃からクムサスには負け続きで勝てたことが無かったジェイドは油断していない。
現に弓に転向してからもじりじりと勝つまでの時間が長引いて来ていた。
ジェイド「ここ最近はイースレイが前に出て来ていたが、これは…?以前と同じようにウォレスの後ろ、いや、中遠にクムサス?!弓がショートボウに変っている…?」
リアナが使用していたのはロングボウで完全な遠距離だったため回復をしようにも中途半端にウォレスたちに近寄らなければならなかった。
それぐらいであればリアナはむしろ軽量の盾と回復魔法で完全に回復役をやればよかった。
しかし剣のクムサスがいきなりの回復役で不自然なこと、そしてリアナより少し背が高いくらいの小柄な体躯での盾役も無理だった。
クムサスもロングボウでの勝ち方は考えてはいたが、ウォレスやイースレイとの相性が悪く断念した。
だから弓は弓でもショートボウを選択した。このショートボウの利点は弓を事前にセットして置くことが出来、弓の発射が早いことだ。
ロングボウほどのリーチが無い分、前衛に近いところに位置するが、クムサス得意の風魔法とも相性がいい。
イースレイはクムサスが剣で戦う時と同じ中遠距離に戻し、ウォレスは前衛と超過力の火魔法で迎え撃つ。
ウォレス「タンクとアタッカー役は任せて!でも本当に槍じゃなくてメイス(棒術)のままで良かった?」
クムサス「ウォレスの超過力の唱術と槍がいまいち合ってなかったんだけど、メイスなら詠唱のじゃまにならないから発動が早いし、リーチも短い分よりタンク役にあってるなって思ってさ!」
イースレイ「回復しない防御特化の唱術使いってところか!」
クムサス「うん。イースレイは…。」
イースレイ「わかってるって!前と同じに戻して幻獣を使っての攪乱とロングボウでの攻撃だろ?」
クムサス「そうそう!それとウォレスに攻撃が向くから、ウォレスをバックアタックから守ってくれ!」
ウォレス「クムサスはどうするの?!」
クムサス「ちょっと…ね!まぁみててよ。ふふふ。」
このクムサスの独特な笑いをするときほど奇をてらった攻撃になることは、長い付き合いのウォレスとイースレイはよく知っている。
2人がぞっとしていると、目の前にいたクムサスが黒い影の様になってスッと消えた。
ウォレス&イースレイ「?!」
今までと違い中々近距離に踏み込んでこないイースレイをいぶかしんでいるものの、ロイスとグランツは余裕だ。
ロイス「ちっ!さっさとくればいいものを時間の無駄だな!」
グランツ「ジェイドさん、そろそろこちらから仕掛けましょう。」
ジェイド「あ、あぁ、だけど何かおかしくないか?今日のクムサスはショートボウだ。」
ロイス「ロングボウでの攻撃が中々当たらず焦れて持ち替えたんですよ。イースレイの中遠距離と距離感が被ってまた中途半端だ。」
グランツ「こちらから距離を詰めていけば余裕で勝てますよ。」
ジェイド「…わかった。ただ油断はするなよ。どうも今までと違う感じがする。」
どこまでも慎重なジェイドに対して、ロイスとグランツは完全に油断していた。
前に出たとたんにドンッ!と最初に弓に打たれたのはグランツ。肩をショートボウで貫かれていた。
グランツ「なつ?!どこから?」
ドッとグランツが倒れ膝をつく。攻撃が飛んできた方向を見るが誰も立っておらず、クムサスとイースレイはさっとまた林に姿を隠す。
ウォレス一人が大きな盾を構え、道の中央で立っているような状態だった。
学生の試合にだから、この矢や剣のダメージは実際には怪我はしない。当たった途端しびれとなり身体が一時的に動かなくなる魔法が施され、切った刺したので怪我はない。
とは言え、幻術で見た目は矢が刺さったように見えるし、痛みもそれなりにある。また剣で切られたり盾ではじかれれば打撃は肉体にダメージとして蓄積される。
だから本当に危ないと判断したときは教員が止めに入るし、回復術に長けた教員は多めに配備されている。
このクムサス達とジェイド達の試合は、学舎の中でもかなり評価されており、中には5年生の見学者や、騎士団に配属されたばかりの新兵の勉強場としても使われている。
幻術使いに長けた教員が遠方から状況を映像化してみせているのでかなりの学生がこの試合を見学している。双方ともそれぐらいの逸材だという事だ。
リアナも3年生の騎士科の授業で、教員から「クムサスとジェイドの試合の時は観戦をするように!」と指示され驚いた。
リアナ(私の試合もこんな風にみられてたの……知らなかった。はずかしい。だからお兄ちゃん詳しく戦い方の指示をしてきたんだ…。)
リアナは惨敗したと言っていたが、そもそもジェイドとまともな試合になるチームはほぼいない。
ジェイドは剣と火魔法に特化したアタッカーで攻撃力が半端ない。範囲魔法からの剣術で圧倒的に優位に立つからだ。
このジェイドに今までクムサスが勝って来たのは、クムサスの得意な風魔法でジェイドの火魔法の照準をずらしたり打ち消してきたからだ。
またウォレスも超過力の火魔法持ちで、ジェイドがウォレスを狙えば自らが打った火魔法の威力にウォレスの超過力の火魔法が戻ってくる形になり不利なため彼に向けて撃つことが出来ない。
それにファイアウォールやファイアーボールといったあらゆる火系統の魔法が得意なウォレスには、ジェイドも敵わない。
イースレイは幻獣に奇獣して攻撃してくるため、大鷲で空中から奇をてらって攻撃を仕掛けることも、狼やカモシカに乗って疾風のように攻撃を仕掛けてくる。
違った意味でジェイドの燃費の悪い範囲火魔法とは相性が悪い。
クムサス「さて、まずは一人。ウォレス!ファイアウォールだ!前方に壁を作ってくれ!」
ウォレス「はいよぉ!どっせいっ!」
ウォレスが掛け声と同時に両手を上げ、中央に炎の壁を建てる。その後、クムサスの更に指示があり後方へ下がる。
イースレイは虫を何匹か飛ばしロイドを狙い回復を妨害する。
ロイド「くそっ!詠唱の邪魔をしやがって!アイツ!」
グランツ「ぐっ!油断しました、すみません。」
ジェイド「大丈夫だ。建て直せ!回復は後でもいい!」
ジェイドがグランツの前に出て、ロイドが一番後方に下がる。
先ほどウォレスが放ったファイアウォールのせいで視界が揺らぎ、クムサス達が良く見えない。
クムサス「ウォレス、一度は盾で打撃を与えたいって言ってたよな?僕を信じて付いてきてくれるか?」
ウォレス「え?え?!どういうこと?!」
イースレイ「ずるいぜ!ロイドに一撃与えるのはオレじゃないのかよぉ!」
クムサス「だめだめ!今回はウォレスが適任なんだ。ウォレス。僕の合図とともに盾を思いっきり前に突き出し突進してくれ!」
ウォレス「…うん!やってみるよ!」
クムサス「イースレイは幻獣でジェイドの足止めをしてほしい。」
イースレイ「ちぇ!…でも任せとけっ!」
クムサスはウォレスの肩を掴むとまた黒い影になった。今度はウォレスごと黒い影に包まれフッと消える。
ロイドは完全にパニクッていた。払っても払っても虫が飛んでくる。視界が悪く、状況がつかみにくい。
グランツは鈍いしびれが肩に続き、盾が中々持てない状態だ。
ジェイドの足元に狼の幻獣2体が現れた時に、ロイドに付きまとっていた虫が消えた。やった!とロイドが喜んだのは束の間、ロイドはウォレスの盾で吹っ飛ばされた。
ロイド「うわぁーっ!」
2メートルまでとはいかないが、体格のいいウォレスの盾で思い切り吹っ飛ばされたロイドは横倒しになり気絶した。
ジェイドは襲い掛かる狼2匹と応戦していてそれどころではないし、グランツは全く状況がつかめない。
その最中に更に追い打ちをかけてグランツの膝に矢が穿たれた。
グランツ「うぁっ!痛いっ!」
グランツは痛みで転がりまわる。盾を持つどころではない。
ジェイドは焦りながらも狼2匹を切り伏せた。その後方から飛んできたのは短剣にワイヤーが仕込まれた暗器。
ジェイドの足元に1本短剣が差し込まれる。
ジェイド「ッ!」
反射的にかわすも、ジェイドはすぐに状況を察した。
気絶したロイド、痛みで転がり回るグランツ。そして復活する狼の幻獣。近距離には盾とメイスを構えたウォレス。その後方には暗器とショートボウを構えたクムサス。
ジェイドは剣を降ろし、両手を上げる。
ジェイド「……降参だ。」
その声と同時にわっ!と声が上がる。たかが14歳の少年たちがこれほどの試合を見せるとは大人たちも驚くほどだ。
双方の健闘を称え拍手が上がった。
パチパチパチッ!拍手が上がる中、治癒師に回復してもらったロイドとグランツは不思議そうに言う。
ロイド「どうなってんだ?いきなり矢が誰もいないところから飛んで来たんだ。」
グランツ「それどころではないし、いきなりロイドが吹っ飛ばされた時はオレは幻でも見てるのかと思った!」
イースレイ「へへっ!それは企業秘密だから言えないんだぜっ!」
鼻の上をこすりながら得意げに言うイースレイ。ウォレスもなんだか照れくさそうだ。
ジェイド「いつの間に闇魔法を習得したんだ?ウォレスか?」
ジェイドのその言葉にウォレスはキョトンと目を点にする。
ジェイド「なんだ、やっぱりクムサスか…。」
イースレイ「あ!なんだよ!俺じゃ無理だって決めつけるなよなっ!」
ジェイド「闇魔法の習得は熟練の唱術師でも難しい。短絡的なイースレイには無理だな。」
その言葉にイースレイはむくれるが「確かにな!俺じゃ無理だ!」とあっけらかんと認める。この切り替えの早さはイースレイの持ち味だ。
クムサス「なんで僕だと思ったの?」
ジェイド「…なんとなくだよ。闇魔法をあそこまで使いこなすなんてお前くらいだと思ったんだ。」
ジェイドは頭もよく、クラスメイトからも人気だ。そのジェイドに褒められればクムサスでも嬉しく思う。
クムサス「そうなんだ…へへ。」
ジェイド「な、なんだよ。変なやつだな。」
イースレイやロイドたちはお互いの戦術について話すことで夢中だ。クムサスはちょっとしたいたずら心が沸きジェイドに向き合う。
クムサス「ねぇ、ジェイド!僕、今どっちだと思う?」
ジェイド「は?どういう意味だ?!」
そして、4年生に上がってからのこれまでの試合に反して、強すぎた今回のクムサス達の試合を思い出す。
ジェイド「は?え?!お前。もしかして…。」
クムサスはわざとリアナぶって首をかしげながら満面の笑みを浮かべる。
クムサス「ねぇ、もう一度聞くよ?ジェイド。今、僕はどっちだと思う?」
ジェイド「……胸がドキドキしないから…妹気味ではない気がするな。」
ジェイドは生真面目だ。これで外れて妹の方だと思うと失言だったと思い直す。
ジェイド「………馬はもう怖くなくなったのか?」
その言葉を聞いて「プッ!」とクムサスは吹き出す。
クムサス「妹に聞いてくれよ!大正解だ!君は正常だよ、ジェイド。」
ジェイド「やっぱり戻ったんだな。」
クムサス「うん。今まで手助けしてくれてありがとう。」
ジェイド「いや、元に戻ったのなら良かった。妹気味にも伝えてくれ。」
クムサス「それはジェイドから直接伝えてやってくれよ。」
ジェイド「どういう意味だ?」
照れくさそうにクムサスは言う。
クムサス「僕はジェイドの事をかなりすごいと思っているだ。だって、入れ違いも信じてくれて、協力までしてくれて…。
それに妹の事も大事にしてくれてる。ジェイドがリアナの事を好いているのもちょっとだけ気づいているんだ。」
ジェイド「…な!な!なにを…!」
ジェイドは顔を真っ赤にしながらうろたえる。
クムサス「アイツ…リアナは寂しがり屋だからさ。ジェイドも話しかけてやってくれよ!」
ジェイド「は?え?いや、お前……。いいのか?俺で。」
クムサス「むしろリアナでいいのか?だよ、こっちが。」
ジェイド「オレは妹君がいい。何せ可愛いからな、お前と違って。」
クムサス「そうだろう?僕と違ってリアナは可愛いんだ。」
ジェイド「お前、よく泣かしている様で、リアナにものすごく甘いよな。」
クムサス「バレたか…。」
ジェイド「クムサス、お前、結構面白いのな。今度はオレともチームを組んでくれ。」
クムサス「いいよ。もちろん!未来のお義兄さんだからね!」
ジェイド「よく言うよ。俺とお前ならどっちがお義兄さんなんだ?」
クムサス「さて、どっちでしょう?」
この日を境にジェイドとクムサスは仲良くなっていく。そして、リアナとジェイドも少しずつ仲良くなっていくが…それはまた別の話。
一年を通じて雪が良く降るこの大陸で起きた小さな、でも前例のない出来事は、ごく少数の人のみが知ることとなる。
精霊が起こしたこのいたずらは後にまた奇跡を起こすかもしれないし、そしてそれも、また別の話。
一旦ここで終了です。
長編書かれる方はすごいですね。
キャラクターの性格とか書き分け難しいし、さぼりながら書くので話のつじつまが合わなくなったりヘンテコですみません。
アップしといてなんですが、もう一読して直さないと…と思うんですが、また後日で行います。