第17話「現状整理と調査の開始」
「(紅薔薇賢吾)じゃあ…例の問題児たちの件も、なんとかしてくれよ」
「(色原彩人)あぁわかってる…行ってらっしゃい」
そして、紅薔薇は学校から東日本のシャドー拠点へ向かった。
すると廊下から足音が…
「(三峰理恵)♪〜」
「(色原彩人)やっべ!戻んないと!」
これが一連の流れである。
紅薔薇談終了!
「(色原彩人)これが一通りの流れだ」
「(伏見麗華)なんだかあまりスッキリはしないな」
「(桃井美玲)まぁ、彼らは南部隊の拠点をシャドーから奪還するのが目的だからね」
「(三峰理恵)つまり、紅薔薇君は問題児たちを更生するためにわざと自分が退学するように仕向けて将軍様に牙を向かせて問題児たちを懲らしめてもらう代わりに、シャドーの情報と南部隊拠点の奪還という条件で一連の流れが起こったと…」
「(色原彩人)まぁ、大体は合ってる」
「(伏見麗華)なるほど」
「(色原彩人)今でも情報収集してくれている。で、例の問題児たちをボコったことを報告したら、ゆっくり休めだってさ」
「(三峰理恵)なんか、今までの真相をを聞く限り、いい人なんですね。紅薔薇君て」
「(桃井美玲)ええ、思いやりがあって相手を立てながら話してくれる人よ」
「(伏見麗華)へぇ〜」
そんな話をしていると色原があくびをした。
「(色原彩人)眠い」
「(三峰理恵)私も疲れました」
「(桃井美玲)だって皆んなは今日一日でシャドーとの対決と問題児の件があったからね。そりゃあ疲れて当然だよ」
「(伏見麗華)私帰ってもいいか?撃たれたところまだ痛むんだ」
「(桃井美玲)学校の救急カプセルに入ってなさい」
「(色原彩人)まぁ、とりあえず今日は解散!おやすみ」
午前1時ごろ、戦争は停戦状態、問題児の更生ならびに収容が完了した。
「(番外編:色原彩人)いや、これが一日の出来事ってバグだろ」
そして各々自分の家に戻った…石塚を置いて。
伏見宅…
「(伏見麗華)帰ったぞー」
伏見は学校から少し離れた一軒家に家族と暮らしている。
「(伏見の兄)遅いぞ!何時だと思ってる!」
「(伏見麗華)うるさいわね!忙しかったの!公務員は定時で帰れるからいいですよね〜(煽り)」
「(伏見の兄)ナイトだって公務員だろ…」
「(伏見麗華)部隊に配属されないと資格の申請できないの!お兄ちゃん頭に味噌入ってる?」
「(伏見の兄)なんで頭に味噌?脳みそだろ普通…麗華、俺恥ずかしいよ」
「(伏見麗華)うっさい!アホ兄!」
帰って早々、兄妹喧嘩が始まった。すると、リビングのドアが開き、目を擦りながら、ちびっ子が歩いてきた。
「(伏見の弟)にぃに…と…れいねぇ…けんかちないで」
「(伏見麗華・兄) 梓!?」
「(伏見の兄)ごめんな!梓!起こしちゃ…」
すると、猛スピードで麗華が梓に抱きついて…
「(伏見麗華)あっくん!このアホ兄ちゃんひどいんだよ!帰りがちょっと遅くなっただけで、あーだこーだ言うんだよ!ひどくない!」
泣きながら弟に兄のことを愚痴っていた。
「(伏見梓)でも、れいねぇ。いつも夜の8時くらいに帰ってくるよね」
「(伏見麗華)うん…でも今日はちょっと遅れ…」
「(伏見梓)朝の2時に帰って来てちょっと遅れたは度が過ぎてない?」
弟がふにゃふにゃした喋り方で急に正論をぶつけられた麗華は何も返せずに…
「(伏見麗華)す、すいませんでした…」
「(伏見の兄)4歳児に論破される17歳の妹…やれやれ」
三峰宅では…
「(三峰理恵)ただいま〜」
「(?)おかえりなさいませ、お嬢様」
「(三峰理恵)はぁ…」
「(?)どうされましたか?クソデカため息なんかつかれて」
「(三峰理恵)いや、最近一人暮らし始めたのに召使がいたら1人もクソもないよねって思ってさ」
「(召使)いえ、私たちはお祖父様からお嬢様を頼まれているので」
「(三峰理恵)そうは言ってもさ…」
「(召使)どうされましたか?」
「(三峰理恵)流石に一人暮らしの家にメイド5人はいらなくない!?」
色原・桃井
2人は同じマンションに住んでおり、部屋が隣同士である。
「(色原彩人)疲れた〜」
「(桃井美玲)まぁ、大変だったからね」
そう話しながら2人はエレベーターに乗る。
「(色原彩人)この部屋何年ぶりだろう?」
色原はしばらく学校に泊まり込んでいたため、南部隊からこちらに移動してきてこの部屋を使うのは育成学校に通っていた時以来である。
「(桃井美玲)まさか隣が色原くんの部屋だったとはね、驚きだよ」
「(色原彩人)しょうがないよ、こっちはあまりマンションとか建てられてないし、寮だって俺らは使えないからね」
「(桃井美玲)ここ格安であんま人住んでないから狙い目だと思ってね」
「(色原彩人)ん?お給金出てるよね?ナイトの給料って結構高い気がするけど?」
「(桃井美玲)それがね…部隊から外れてると個人の貢献度によってお金が支払われるの…私まだ戦いとかに参加してないでしょ…だからよ」
「(色原彩人)あぁ!どうりで少なかったわけだ!」
「(桃井美玲)え?色原くん結構戦ってるよね?」
「(色原彩人)えぇーと…多分これ倒さないとあんま貰えないかも…」
「(桃井美玲)あ…停戦中だもんね…」
だんだんその場の空気が重くなってきた。
「(桃井美玲)で、でもランキングはトップでしょ?」
ランキングとは、育成学校を卒業した各ナイトたちがそれぞれの貢献度を争うものだ。このランキングは3ヶ月周期で行われ、トップ10に入ると高額賞金を得ることができる。将軍様こと色原もトップ10常連様なのだが…
「(色原彩人)今回…15位でした…」
「(桃井美玲)まじか…」
「(色原彩人)これ…景品のホールケーキ…」
「(桃井美玲)一緒に…食べるか…」
「(色原彩人)うん…」
2人は色原部屋に入ろうとしていた。
「ガチャン」
「(色原彩人)ようこそ!俺の部屋…」
「ガチャン!」
2人は目の前の光景に声が出なくなり、色原は玄関のドアをすぐに閉じた。なぜなら…
「(桃井・色原)き…汚ねぇ…」
「(桃井美玲)ハウスクリーニング呼んだほうが良さそうだね…」
「(色原彩人)はい…」
色原の部屋はほこりまみれで、人が入れるような場所ではなかった。
「(桃井美玲)私の部屋来なよ」
「(色原彩人)そうするよ…」
そして2人はケーキを食べながら会話をしていた。
「(桃井美玲)そういえば、今回のランキング上位って誰だったの?」
「(色原彩人)知らない奴らばっかだったな〜。えっーと?」
色原はランキングを確認した。
「(色原彩人)えっと?一位が…なが…永倉…か…感…應?」
「(桃井美玲)永倉感應さん?」
「(色原彩人)うん、で、実績が…ミディシャドー1人拘束、ウィクシャドー大群討伐3箇所、ランキング期間中のシャドー討伐数800体か…」
「(桃井美玲)す、すごいね!」
「(色原彩人)俺には暴君にしか見えないけどな」
「(桃井美玲)でも、たくさん倒してるし…」
「(色原彩人)シャドーだって気絶させて浄化すれば人に戻って心を取り戻せるんだよ?800人に殺人未遂しましたっていうのとかわらなくない?」
「(桃井美玲)それは…まぁ…一理あるけど…」
「(色原彩人)まぁ、こいつもいつかわかるでしょ…相手はきちんと中身まで見てから…殺すのを決めろってね」
「(桃井美玲)!?」
次の日
「(石塚被官)しゃー!元気になった!」
「(色原彩人)出勤早々うるせぇな」
「(石塚被官)仕方ないだろエネルギー有り余ってんだからよ」
「(色原彩人)うわぁ…仕事してない証拠だ…」
「(石塚被官)しとるわ!」
「(桃井美玲)ねぇ!紅薔薇君が1人でシャドーの拠点に潜入したって!」
「(色原彩人)ん?知ってるけど?」
「(桃井美玲)いきなりなんで!?」
「(色原彩人)まぁ、慌てないで桃井さん。アイツは弱くないから」
「(桃井美玲)でも、シャドーの拠点に1人で潜入するって危険じゃない?みんなで乗り込んだ方が…」
「(色原彩人)桃井さん?俺の認めた戦士だ…そう簡単に殺させないよ」
その頃、紅薔薇は…
東日本シャドー拠点という名がつけられた建物の屋上にいた。
「(紅薔薇賢吾)さて、どんな情報があるのかな?潜入開始!っと」
その光景を遠くから誰かが見ていた。
「(?)ん?誰ですか?あの方は?少し様子でも見ておきますか…」
第18話へ続く…