第13話「容赦ない厄介者②」
「バンッ!」という音がし、弾丸は石塚の方へと向かっていく。
「(石塚被官)!?」
その瞬間石塚の目の前に何かが通り過ぎ、弾丸は通り過ぎた物に当たった。
「(?)あー結構いてぇわ(棒)」
「(石塚被官)お…お前…何バカなことしてんだよ!」
弾丸が当たった者の正体は…
「(色原彩人)え〜!だってこれしか方法なかったし!正直間に合うと思ってなかったし…間に合っちゃったけど」
「(石塚被官)なんなんだよお前」
弾丸が当たった者の正体は色原だった。銃弾に当たっても平然を装っている色原に石塚は呆れている。
「バンッ!」
またもや銃声が鳴り弾丸は色原にヒットした。
「(石塚被官)色原!」
「(紅薔薇の弟子1)急所に2発!終わりだ」
と色原を銃殺したつもりであった弟子だったが…
「(色原彩人)だから!効かないんだって!防弾チョッキきてるから!まぁ結構痛いけど」
しかし射撃された部分は赤く染まっている。
「(紅薔薇の弟子1)じゃ…じゃあなんで血が出てんだよ!」
「(色原彩人)防弾チョッキは貫通するのを防いで致命傷にならないようにするのが目的だから当たりどころが悪いと出血ぐらいするって。レベルⅢの防弾チョッキなんかそんなもんだよ」
「(紅薔薇の弟子1)そんな…」
「(石塚被官)で、これはどういう状況?」
「(色原彩人)知らねぇよ!俺今来たばっかだっての!」
「(石塚被官)だって、話し合いするからここに来たんじゃないのか?」
「(色原彩人)来たら校舎が荒れてたから二手に分かれて見回りしてたら設備をハッキングして一時的に使えなくした野郎がいたもんで俺はそいつらをしばいてだだけでこっちの状況は先輩と理恵しか知らないはず」
「(紅薔薇の弟子2)ちょっ…と…待て…アイツら負けたのか?」
「(石塚被官)あ、喋った」
なぜか紅薔薇の弟子の1人が動揺している。
「(色原彩人)なぜか、ここの生徒ではなかったけどね〜。家柄がいい君たちには護衛がついてるんじゃないかな〜」
「(紅薔薇の弟子2)ん…んッ」
「(色原彩人)ハッキング出来るってことはIT会社の経営者が雇う護衛だろうな…そうだろ」
「(紅薔薇の弟子2)クッソ」
「(色原彩人)その特殊なレックレスでなんとなく分かったよ…秀光智明君。その他2人は湯田青助君、義経源君で合ってるね?」
「(秀光智明)あぁ!そうだよ!この世は権力さえあればなんでも出来るんだよ!権力のある者が権力の弱い人間を雑に扱って何が悪い!紅薔薇様だってお前に辞めさせられたせいで社長候補から外されたんだぞ!やられたら手段を選ばずやり返す!それが俺たちのやり方だ!」
「(色原彩人の小声)ッフ…まったく…アイツは一体なんて言ってお別れしたんだよ…」
「(秀光智明)あ?なんか言ったか!」
「(色原彩人)いや、なんでも無い」
「(秀光智明)全てバレてしまったなら問答無用でぶっ殺す!」
そう言うと、秀光は自分のネックレスに付いていたアクセサリーのようなものに触れてた。すると瞬時に形を変え、みるみる大きくなり、槍へと変化した。
「(色原彩人)なるほど、武器を小さくしてアクセサリーに見立てていたのか。流石ITの技術はすごいね〜」
すると秀光は色原の言葉に反応すらせずに、襲いかかってきた。
「(色原彩人)危っぶな!…先に手を出したならやられる覚悟くらいしとけよ」
「(湯田青助)やられるのはどっちかな?」
湯田もネックレスにつけていたクナイを手にして色原に襲いかかって来た。
「(色原彩人)そっちだろ?」
色原は手のひらを広げてシールドを張り、手の甲でビンタをするように湯田を張り飛ばした。
「(湯田青助)うわぁっ!」
「(石塚被官)うわぁ…めっちゃ非合法な力技…」
「(義経源)油断禁物だよ!」
義経は油断していた石塚に殴りかかろうとした。
「(石塚被官)うるせぇ」
しかし石塚は義経を簡単に蹴り飛ばした。
「(義経源)ギャァっ!」
「(石塚被官)なんだ、秀光以外は大したことないな」
「(秀光智明)ッチ!つっかえねぇな!もういいや…」
すると秀光は服の中から注射器を取り出した。
「(秀光智明)0x6」
と言うと注射器の中に入った液体は透明から黒く変色し、秀光は湯田と義経目掛けて注射器を投げた。
「(色原彩人)あっ!よせ!」
その瞬間、色原が何かを察したような顔をして注射器を取ろうとしたが…
「プスッ」
「(色原彩人)あ"ぁぁ…」
投げられた2本のうち1本が色原に注射器が刺さってしまった。
第14話へ続く…