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時間の檻のいばら姫  作者: 月桃シュリー
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リーザが働くのは王立魔導研究塔――通称魔塔である。

王国中の優秀な人材が集められた研究塔であるが、その立地は王都から遠く離れ、それどころか近くに人里も見えない荒野のど真ん中だ。


無論設立当初は王都にあった。

しかし過去に王都中を巻き込んで引き起こされた【動く透明塔事件】や【魔獣化動物園事件】などの数々の逸話を聞くに、この研究塔が隔離されるのも致し方のないことだろう。


そんないわくつきの職場に就職したのはなにもリーザが狂魔導研究者(マッドソーサリスト)だからではない。


ごく普通の商家の娘だったリーザは子どもの頃から新しい魔道具を考えることが好きだった。

リーザの開発したチリトリが動き回って勝手にゴミを集めてくれる魔動チリトリ機や、夏場に室内の空気を冷やす魔動空冷機などは今や王城をはじめ王国民の生活になくてはならないものとなっている。


その発想力と魔道具を作れるほどの高い魔力を見込まれ、王立魔術学園に特待生としての入学資格を得た。

平民が無料で魔術や技術を学べる貴重な機会だ。

リーザは一も二もなく飛びついた。

その条件として、卒業後10年間は魔塔で働くことが課せられていたのである。



魔塔には好奇心の赴くまま自由に研究を続ける研究者たちのアシスタントや成果を実用化するための開発・技術班が必要だが、そのための知識と技術と魔力をもった人材はいつでも不足がちだ。

元々貴族しか入学資格を持たなかった魔術学園に平民の特待生枠を設けたのはひとえに魔塔の人材確保のためである。

このことからも王国が魔塔の存在をどれだけ重く見ているかが分かるだろう。


余談ではあるが在学中の貴族と平民の交流は一切なく、平民には寮も含めて専用の建物とカリキュラムがあり、教師だけが行き来している。

余計な軋轢を生まないためでもあり、また貴族からの引き抜きを防ぐ意味もあるようだ。


卒業後の現在、在職3年目となるリーザは、その若さにして研究成果を主に商業化するための製品開発チームのひとつを任されている。


もちろん、そんな環境にいるリーザが気付かないはずがない。

リーザのこのタイムリープも十中八九誰かの魔術の暴走であろう。


二度目と三度目のループ中に親友のマリアと手分けして該当する研究者や開発中の魔道具を探したが見つからず、また他にループに気付いていそうな人物も見当たらなかった。









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