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9.餓鬼封印

今回も、お付き合いよろしくお願いします。

エン魔はエン魔で、冥界の王としての責任があるので大変です。

それでは、ごゆっくりどうぞ。


「あのねー、ソースケ。 地獄は、あんなもんじゃないからね!」


 呆れて苦笑いのエン魔。


「あれは、餓鬼。 きっと、これは、餓鬼界が人間界に漏れだしているの」


 エン魔は、思い詰めたような表情で、空間の穴から立ちのぼる真っ黒なすすの闇を、しばらくの間、見つめていた。


 そして突如、かんしゃくを起こした幼子のように吐き捨てる。


「それもこれもぜんぶ、閻魔帳がバラバラになったからだからね」


 目に涙を浮かべ、半べそをかきながらも、オレをにらむエン魔。


「はっきり言って、ソースケのせいなんだからね」


 やけ気味のオレは、もうどうなろうと好き勝手にするだけで、何かに束縛されたくはない。


「そんなことは、知ったこっちゃねぇ。 他人がどうなろうと悪霊のオレには関係ないね」


 愕然とする様子のエン魔をはた目に、高笑いをかます。


 ――なんと悪霊らしい物言い。


 オレが心の中で自画自賛していると、またもや頭の中に響きわたる例の音声。


 ピッ。

『 +10 アクリョウポイントガ、カサンサレマシタ』

『ポイントノゴウケイハ96デス』


 オレの闇の感情とエン魔に与えた衝撃が悪霊ポイントを生み出したのか?

 エン魔の心をえぐる最高の一撃をお見舞いしたところで、ふと視線を先ほどの場面に戻すと、そこに巫女装束を身に着けた少女がいた。


 しかし、よくよく見ると、その巫女装束らしき衣装は、動きやすくするためかどうかは分からないが、袴ではなく、緋色のミニスカートに白のニーソックス、きゃしゃな肩が見え隠れする白衣を身に着け、「もはや巫女装束でなくってもいいんじゃない?」といった出で立ちだ。


 その少女は、同士討ちとなって共に頭をはねられた二体の餓鬼の内の一体に駆け寄り、餓鬼の体に呪符のようなものを貼る。

 そして、両手を胸元あたりに持っていくと、その場に立ち止まり動きを止めた。


 少女は、こちらに背を向けて立っているため、こちら側からは見えないが、何か呪文のようなものを唱えているように思えた。


 餓鬼の動きが弱くなってきているように見える。

 餓鬼の動きを封じているのだろうか。

 その様は、まさに、封印という言葉が相応しいように思えた。


 しかし、その間にも、ワイシャツの切れ端をまとった方の餓鬼が、ノソッと体をおこし、失った頭を生み出していく。

 そして、切り落とされた、もとは自分のものだった頭と、もう一体の餓鬼の頭とを見つけると、両手でつかみ、グシャグシャとむしゃぶり食う。


 少女は、呪文に集中しているのか、そのことに全く気づく様子がない。

 呪符を貼られた餓鬼は、動きを封じられたのか、身動き一つしなくなっていた。


 ワイシャツの餓鬼は、少女に気づくと、下あごからヘドロのようなだ液をドロドロとあふれさせ、そっと少女に近づいていく。


 エン魔が、もうこれ以上見てはいられないとばかりに、少女から目をそむけた。


「女はもっと悲惨だよ。 食われる前に凌辱の限りを尽くされて……」


 視線を落とし、言葉をにごらせる。


 少女は、呪文を唱え終えたのか、肩の力を少し抜いたように見えた。

 そして、近づきつつある危険の気配を察するやいなや、気配のもとに素早く反応する。


 振り向いた少女の顔を見たオレは、のどから心臓が飛び出しそうなほどに――悪霊に心臓はないとは思うが、驚愕したのだった。


 ――夢野ぉぉぉー。 なにやってんだお前!!


 その少女は、まさにオレが生きていたとき、職場の後輩だった、あの夢野詩織だったのだ。


夢野登場!!

なぜか餓鬼が封印できる。

次回、夢野危機一髪。

お楽しみに!!


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