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26.破魔矢

読みに来ていただきありがとうございます。

巫女さんが破魔矢を放ちます。

それでは、ごゆっくりどうぞ。


 あの足取りでは、そんなに早く先には進めないはずと、高をくくっていたオレだったが、よくよく考えれば、エン魔は、結界を通り抜けることができるはずで、まわり道の必要がない。


 オレは、少々、エン魔が心配になり、慌ててビルに入り込み、辺りを見まわした。

 だがしかし、すでにエン魔の姿は、どこにも見つけることができなかった。


 先に進むしか術が見つからないオレは、とりあえず二階に上がり、階段のカゲから廊下の状況をのぞき見る。

 そこには、前回、オフィス内で破魔矢を作っていた巫女装束の女二人が、すでに廊下まで出張って、弓矢を手に身構えていた。


 ――たしか巫女さんは、三人いなかったっけ。


 ということは、残り一人はオフィス内にいるのだろうか。


 結界の壁で廊下を通り抜けることができないオレは、一旦、オフィス内を通らないと向こう側に行くことができない。

 そして、三階への階段は、反対側しか使うことができないのだ。


 ――三人いっぺんよりは、マシか。


 よくよく見ると、周囲の壁には、無数の矢がいたるところに突き刺さり、すでに、いざこざがあったことが見受けられた。


 ――エン魔のヤツ、かなり引っかきまわしたな。


 大体、エン魔に――エン魔も一応、魔が付くのだが、破魔矢など効くはずもなく、遊ばれた感が否めない。

 だが、オレにとっては、一歩でも間違えれば、命?にかかわる事態にもなりかねないだろう。


 オレは、持ってきた荷物の中から使えそうなものがないかと、考えをめぐらす。


 ――よし。


 ある妙案を思いついたオレは、バックパックから錠剤の入ったビンをいくつか取り出し、取り出しやすいレッグバックの外ポケットに詰めなおす。

 こんなこともあろうかと、一階に併設されているドラックストアの倒れた棚の中から、使えそうな薬品を探し出しバックに詰め込んでおいたのだった。


 ビンを外ポケットに詰め終わると、次に、頭の中に描き出す風のイメージを、こと細かに、くり返しシミュレートする。


 巫女との争いに時間はかけられない。

 少しでも手間取れば、破魔矢の雨が降り注ぐことになる。

 オレは、両の手で軽く拳を握ると、意を決して、巫女たちの前にとび出した。


 巫女たちは、弓に矢をつがえると、オレに向けて弓を引きしぼる。


 オレは、シミュレートした空気の動きを、意識の奥底に描き出すように強く念じる。


 空気のかすかな動きが風を生み出し、風の流れは、低く地面を這うように進む。

 風は勢いを増し、巫女の足元で真上に駆け上がると、大きく弧を描き、二つの細い渦流となって巫女たちの顔めがけて吹き付ける。


 オレの念に呼応するかのように、怨霊的な青黒い炎がオレの体を包み込む。


 巫女たちは、怨霊の炎にすこしおびえたような表情を浮かべ、わずかに後ずさる。


 周囲の空間に異変が生じ、そよ風のような柔らかい風が、あたりにただよい始めた。


 そのとき、一本の矢がオレの顔面に突き刺さる。

 おみごと、と言えるほどの正確な射的だ。


 目と目の間、ちょうど眉間の位置に矢が……。

 と思うが否や、矢は、オレの頭を通り抜け、後ろのカベに突き刺さった。


 眉間から矢が頭を貫通していくのを、じかに見るのは、目がくらむほど強烈な恐怖だったが、ご多分にもれず、まったく痛くもかゆくもない。


 ピッ。

『 -10 アクリョウポイントガ、ゲンサンサレマス』

『ポイントノゴウケイハ95デス』


破魔矢が頭を貫通していくー。怖い、危険、でも痛くなーい。

次回、毒薬?使います。

お楽しみに!!


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