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15.託宣?

今回も、お付き合いよろしくお願いします。

異常事態のわけとは、何なのか?

それでは、ごゆっくりどうぞ。


「閻魔帳のせいで、六つの世界が溶け合い、混ざり合おうとしているの」


 エン魔の言う託宣?の内容は、どうなろうと知ったこちゃないと思っていた、オレをも驚かせた。


 夢野に至っては、もうほとんど半べそで、瞳に涙をためている。


 エン魔の話は、こうだ。


 もともと、この世界は、天上界、人間界、修羅界、畜生界、餓鬼界、地獄界の六つに分かれている。

 そして、オレたちがいるのは、当然、人間界だ。

 全ての生命は、命を全うすると、その者のおこないによって、次の世界に転生する。


 輪廻転生という言葉があるように、生命のあるものすべては、永遠ともいえる時間の中で転生を連綿とくり返し続けてきた。

 そしてまた、果てもなく続いていく。


「ソースケは、絶対、次は地獄だけどね!」


 といちいち付け足すエン魔。


 全ての生命の記録をつかさどるのが閻魔帳。

 それが散らばり、手にした者の意図によって書きかえられたことにより、この世のありようが変わり始めたのだ。


 六つの世界が融合を始め、空間に開いたほころびから――今や巨大な穴となっているが、他の世界が漏れだし始めたのだ。

 一見、壮大で美しさをも感じさせる、光と闇で創られた巨大な第六天魔の暗冥門は、他の世界からもれ出したモノが混ざり合い、浸食していくあり様なのだ。


 そして、それは徐々に広がり、人間界をのみ込もうとしている。


 生前のオレなら、こんな尋常でない話を信じることは絶対になかっただろう。

 だが、エン魔と出会い、悪霊となった今、そして、今までの状況から、信じないわけにもいかない。


「のみ込まれると、どうなる」


 誰にともなく、つぶやくオレ。


 エン魔が、最後のこんにゃくゼリーを頬張りながら、意味不明な言葉を返す。


「それこそ、じ、ぎょ、ンぐ、えン、ヴず」


 たぶん、地獄絵図と言いたかったのだろう。


 ――ったく……。


 エン魔の緊張感のなさに、あきれるオレ。


 燃えるような灼熱の炎、身を裂くような極寒な氷原、どこまでも過酷な空間で、餓鬼や畜生がはびこり、互いに食い合い、襲い合う血みどろの世界。


 想像しただけでも、吐き気をもよおす様な世界だが、今のオレにとっては、痛くもかゆくもないだろう。

 ただ、さすがのオレも、そんな世界を永遠と見続ければ、精神が持たないように感じた。


 それよりもなによりも、夢野だけは、そんな世界に放り出すわけにいかない。

 エン魔の指示に従うことは、なんとなくシャクに障るのだが、背に腹は代えられない。


「で、どうすればいい?」


 エン魔は、ニヤリと口角を上げる。


「やーっと、わたしの言うことがわかったみたいね」


「……」


 オレが口ごもると、小さな胸をますますそり返して、続ける。


「さあ、ソースケ。今度こそ、崇め奉りなさい。貢ぎ物を持ってきなさい。供えなさい」


 エン魔が言うには、散らばった閻魔帳をすべて探し出し回収して、書きかえられた閻魔帳を元に戻すしかないようだ。


「わかってる? ソースケのセイなんだからね!」


 オレと夢野がコンビニから運んできた大量のこんにゃくゼリーの袋を前に、エン魔が語気を強める。


 閻魔帳には、お互い引き合う特性があり、近づけばわかるらしい。

 なによりも、怪異的なものごとのあるところには、必ず閻魔帳が存在するはずだ。


 異常の元凶は、空間の裂け目にあり、第六天魔の暗冥門に向かっていけば、この天変地異を引き起こしている閻魔帳の欠片を見つけることができるだろう。


 ――しゃーない。手伝ってやるか。


 オレと夢野は、うわべだけはエン魔を崇めるように、床にひれ伏す様な格好でエン魔の話をきいていたのだが、オレの心を読み取ったのか、エン魔の表情が突如、ムッとしたものに変わる。


「手伝うんじゃなくって! 付き従うの!」


 どうやらまた機嫌を損ねたようだ。


 ――ほんと、面倒なヤツだ。


聡亮は、悪霊としてこの世にとどまって、いわば死にきれていない存在。

なので、実は、転生してません。

次回、突然、夢野が……。

お楽しみに!!


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