第四十二話 芽衣ちゃんランド(1)
ガラガラガラ・・・
斜めの体が気持ち悪い。
いやしかし俺はこんなもんじゃない。
それでもなんか、怖ぇ・・・
ヒューーーーン!!!
普段重力の事なんて考えていないのに、重力だとかよく分からない力を体が感じる。
そして顔に当たる凄まじい量の風。
「うああああああ!!!!」
俺はジェットコースターに乗っていた。
土曜日。
それは小姫の願いで友達となった、永遠乃芽衣の提案だった。
ー〝お近づきの印に、芽衣ちゃんランドを貸切で遊びますわよ!小姫ちゃん!〟
などと言われ、今日。
永遠乃財閥グループ、エターナルランドの運営するテーマパーク、芽衣ちゃんランドに来ていた。
ネーミングセンスねぇ!
永遠乃芽衣と小姫、そしてそのボディガードの優花里と俺。そして各遊具の案内員以外、客はいない。
本当に貸切だった。
「ゔぅっ、まぁ、余裕だったな」
じゃんけんに負け、ジェットコースターに乗る事になった俺。無事に帰還。
「じゃあ次はお化け屋敷行きますわよ」
きっ!キターーーー!!!
ラブコメディのお約束!お化け屋敷もしくは肝試し!!!!
暗闇で男女が歩いてキャーッ!いやん!抱きつき!
みたいなことが間違いなく起こりうる神イベント!
その時、スマホが鳴動する。
執事の爺さん!?
俺は少し場を離れて、通話を開始する。
「もしもし、律様ですか?」
「どうしたんだ、爺さん」
「サテライト班から入電がありました。律様達のいるその場所に・・・正確にはお化け屋敷に、小姫お嬢様を狙う輩がいるとの情報です・・・」
「えっ!?どうすんだよ、今から行くんだぞ」
「暗躍班が到達するまで、小姫お嬢様の警護をお願いします」
「最悪は小姫を抱いて逃げる」
「ええ・・・ですが・・・小姫様もせっかくのお友達と遊んでいるわけですから、出来るだけ〝何事もなかった〟様に事を進めていただければと・・・」
「はいよ」
そういうわけで、お化け屋敷へ向かう。
「なぁ〜、たまには小姫ちゃんと童貞って組み合わせでも良いんじゃねーか?」
優花里が気を利かせて提案した。
俺たちはこの遊びであっても警護がメインで、優花里とは、永遠乃芽依と小姫を二人っきりにさせないと決めていた。
「まっ、良いですわよ。二人一組で入りましょ」
「じゃあ、いこっ!芽衣ちん!」
そそくさと優花里は永遠乃芽衣の手を引き、先にお化け屋敷に入っていく。
俺と小姫は入り口で建物を見上げた。
ー〝凄く呪いの館〟ー
と書かれている。なんか怖く無さそう・・・
その時、小姫がボソッと言う。
俺とふたりの時の小姫は態度が違う。
「お前で良かった」
「え?」
「ほ、本当に怖かった時、掴めるからな、お前の事は」
「おい、ビビってんのか?」
「早く行きましょ」
そう言いつつも俺に先を行かせる小姫。
この中に・・・敵がいるのか?




