第四話 鹿美華小姫(4)
気がつけば、俺たちは無人島みたいな小さな島にいた。ロケラン男が現れたと思えば、俺たちはすぐにヘリに乗って、移動し、近くの島に降りた。
「君ィ!小姫に触れるんだって?」
ロケラン男が語りかけてくる。
「はい!」
「よし!心臓マッサージ頼む!」
「えっ!?はい!?」
「エロい事考えたら殺すからな!」
ロケラン男はそう言ってその場を離れる。そして火をくべろ!と他の男達に指示を出す。
目の前に・・・気を失ったままの小姫。俺は両手を重ねて、小姫の胸を押す。
あ、あれれ〜?
見た目以上だぞこれは・・・
ギロっ!俺はロケラン男の視線を感じた。
いかんいかん。心臓マッサージだ。たしか・・・もしもしかめよかめさんよ〜のリズムで胸を強く押す。
この時、骨折なんて気にせずに、押さなくちゃならない。ぐっ、ぐっ、ぐっ、ぐっ・・・
「肺に空気を入れろ!少年!エロい事は考えるなよ!」
ロケラン男が俺に指示をする。
肺に空気を入れる!?それって・・・
もしかして、もしかすると!
「聞こえなかったのか少年!人工呼吸をしろ!マウストゥーマウスだ!」
な!なんてこった!こんな溺れたヒロインを助ける古典的な展開!この俺の人生に訪れたっていうのかよ!
俺は、頑張って意識しないように、唇を近づける・・・やばい。小姫結構可愛い・・・
ー
焚き火を囲んで、俺たちは6人は身体を温めていた。
俺、執事、車の運転手、ヘリの操縦士、復活した小姫、そしてロケラン男・・・というかこの男・・・
「小姫のお父さんだったんですね!?」
通りでエロい事すんなとかうるさいわけだ。
「そうだ。少年、君は何者だ?」
「いや、分かんねーっす。たまたま貴方の娘さんに触ったというかなんというか・・・」
「身体を温め、この島を出たら、我が家に来てもらうぞ」
「えっ!?」
「当たり前だ!君は鹿美華家にとって明るいニュースだ。とにかく来てもらうぞ」
「ちょ!マジすか?親に電話させて下さいよ」
ってあれーーっ!!!!爆発だったり海に落ちたりしてスマホが無ぇーっ!!!
「感謝する」
パチパチと燃える火を見ながら、小姫がボソッと言う。
「あ、ああ・・・」
「さて、皆もあったまっただろう。お家に戻ろうか」
そう言って、続々とヘリに乗っていく。
先に乗って行った人たちを見ながら、俺は後ろから現れた小姫父に小突かれた。
「おい、少年・・・分かってるな?」
「えっ!?何ですか?」
「お前が小姫を触れるのと、お前が小姫に手を出すのは別だ・・・分かるな?」
「は、はぃ〜っ!!!!!」
小姫父の殺気がやばい!
それを感じながら、ヘリコプターは飛ぶ。
なんつー1日だよ、これ。。。