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第二十九話 永遠乃芽衣(1)


俺が小姫をお姫様だっこした翌日。

日曜の夜。


「えっ!?明日から休み!?」

その知らせに優花里は驚いている。俺も知らないフリをするしか無かった。


小姫は5日間、学校を休む事になった。

それは土曜日に襲撃を受けたからである。

すぐに学校に戻れば、また居場所を特定されるかもしれないからだ。


爺さん曰く、移動式住居・・・想像できないのだが、それで小姫は今姿を眩ませるように各地を転々としているらしい。


「うん。執事の爺さんから連絡があって・・・優花里にも伝えてくれ、だってさ」


「随分と急だな。お前、何か知ってますみたいな顔してるな」

「知らないよ何も。なーんだっけ、新型のウイルスが学校で流行ってるとかでリスク回避のためとか言ってたな」

適当だけど理由をでっち上げてみる。たしかにウイルスは流行っていた。


「ふーん。じゃ」


そう言って優花里は玄関の扉を閉めた。

俺は隣の自分の部屋に戻る。



・・・小姫の日常って、襲撃と隣り合わせなのか?


・・・誰かに狙われて、触れる事も触れられる事も出来なくて


・・・それが小姫の人生なのか


・・・しかも、漫画家になりたいって言ってたけど、将来は後継として確定。


こう、思っちゃ、いけないんだろうけど

アイツの人生、悲惨すぎる。



俺はベッドに横たわり、色んなことを考えていた。

解決してないことがある。

この壁を隔てた先の優花里が俺にしてきた、キキキ、キス・・・


あれの意味、答え、対応、それらあの出来事すら、置き去りにしたまんまだ。


アイツ・・・俺のこと好きなのか?


何を、どう思ってんだか。

痴女は良くわかんねーな。

俺は童貞だしよ。


その日はそのまま、眠りについた。



翌日。

朝、学校に行こうとしたらポストに置き手紙が入ったいた。



〝せっかくなので休みます ゆかりん〟

と書かれている。優花里か。アイツ・・・ゆかりんて。



俺はやることも無いけど準備しちゃったので学校へ行く事にした。



そして教室。



「あら、今日は貴方ひとりなのね?」

永遠乃芽依が話しかけてくる。


「女共は休みらしい」


「あら、私にとってはチャンスって事かしら。いい?今日、絶対に生徒会に来なさいよ。今度こそ命令よ」


「やだね」


そう言うと、また永遠乃芽依は俺の耳元で囁いた。


(たまには息抜きしなさいよ。今日は私しかいないから・・・ね)


そしてまたその唇が俺の耳元に軽く触れる。

これはヤバい・・・



放課後。


ガラガラガラッ!ピシャッ!!!!



「ようこそ生徒会へ」



生徒会室。俺はそこにいた。

永遠乃芽依とふたりっきり・・・

優花里が学校サボってんだ。


俺だって息抜きしてーよ。





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