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第二十三話 秘密(10)


「それじゃあ、小姫ちゃんばいばーい」

その日の放課後。俺たちは3人で下校した。この方が守りやすいし、なんだか良い雰囲気だ。


事情があって帰りが遅れた事は既に優花里が爺さんに報告済みだった。意外にも仕事が出来る女だ。


「はぁ、長い一日だった」

俺がそんな事を言っても、優花里は無視を始める。えっ!?ファミレス事変続いてたの!?


困った事に帰る方向が一緒なので、気まずいまま歩く羽目に。


気が付けばマンションの部屋の前まで来ていた。俺も優花里もドアノブに手をかけている。



・・・言わなきゃ。



「優花里」

「呼び捨てすんな童貞」

「その言い方やめろって!」

そう言ってる間に、優花里は自分の部屋に入っていってしまった。



俺も仕方なく部屋に入る。




はぁ、それにしても疲れたな。花の水やりって意外と大変だ。腰を下ろすからあまり使わない筋肉を使う。それでいてあのマッチョとの格闘・・・

疲れすぎたぜ俺。

あっ、メシ食ってねーや。


腹減ったな。


冷蔵庫は空だった。


しょうがね、コンビニでも行くか。

そう思ってドアを開けると、優花里の部屋の扉も開く。



「・・・」

「・・・」


黙り込むな俺・・・

優花里にとりあえず謝んねーと。

つーか意外と根に持つタイプなのコイツ?

めんどくさ!



「お、俺はコンビニに行くだけ」

何故か違う言葉が出てしまう俺。


「あっそ」


そ、素っ気ねぇ!どうして羽田にパンチが繰り出せるのに、優花里に言葉が出ねーんだよ俺。人として、仕事仲間として、やり易くしないとな・・・



「あのさ!優花里さん・・・」

さっきは呼び捨てで怒られたからさん付けしてみる。



「何よ」




「その、ごめんなさい」


「は?」


「この前、ファミレスで・・・殴られて、ごめんなさい」


「何言ってんの童貞。自分が何で殴られたか、分かんないの?」



「ごめん、色々考えたんだけど、分からなくて」



「これだから童貞は嫌なの」


「おい!童貞童貞言い過ぎだぞ!」

コイツ!俺が謝ってもこんな感じかよ!仲良く出来るか!痴女ギャルめ!


「なんなのよアンタこそ」

「それはこっちのセリフだ!謝って!下手に出て、仲直りしようとしてるんだよ俺は!」


「あー!もう意味分かんない!!!」

「意味分かんねーのはお前が俺を殴った意味だよ!」


「うるさい!これが答えよ!」




そう言って優花里は・・・




俺にキスをした。




うっ、うっそ!

や、柔らかいし、何これ、なんかねっとりしてるぞ唇!

しかし、そんな事を味わう間も無く。


「もう意味分かんない!」

俺の顔面に優花里の右ストレートが直撃した。フラついて俺は扉にぶつかった。

優花里は走って逃げていく。



なにこれ。

ますます意味わかんねーんだけど!!!!





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