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第二十話  秘密(7)


「おい、童貞。下手くそなんだよ」

優花里が俺に指をさす。

放課後、俺と小姫と優花里は、何故か学校中に植えられているお花の水やりをやるハメになっていた。


水やりを任命した当の本人、永遠乃芽衣は生徒会室で待機している。


「水やりに上手も下手もあるかよ!」

ジョウロのシャワーでシャーっ!

お花さん達も気持ち良さそうだ。


「律くん。水やりは、土に」

小姫から話しかけてきた。

「えっ?そうなの?」

「花びらに水浴びせちゃうのは、弱っちゃうし、それに、同じ場所ばかりに水やりすると根腐れしちゃう」

小姫!久しぶりに長台詞!

やっぱり、かわいい!あと優花里に見慣れちゃったけどおっぱいがポヨーンだ!


どすっ!


何故かお腹を殴られる俺。

優花里の鉄拳が炸裂する。


「なぁ、何すんだよお前」

「なーんか、ムカつく」


「おふたりとも、仲良くしてください」

小姫が少し複雑な顔をしている。

これは小姫的には当たり前だ。俺たちボディガードの息が合ってなきゃ、自分の身に降りかかるからな。



「小姫ちゃん。つーか、アンタこそ私と仲良くしてよ」



優花里は言いたかった事を吐き出した。


「えっ?」

困惑する小姫。水着貧乳痴女と人形パチクリお目目おっぱいお嬢様の夢の共演だ・・・


「せっかくの学校生活なんだしさ、友達いた方がいいだろ」


優花里・・・さすが情熱の女。


「でも私・・・」

「それにさ、トワノ財閥だかなんだか知らねーけど、味方は多い方がいいんだから」


優花里は、握手しよう、と手を差し伸べた。転校初日と同じだ。


・・・俺はどうすりゃいいんだ。


そんな迷うまもなく、小姫はその手を差し出していた。そして、女同士の手は、ほんの一瞬だが握られ、すぐに不自然に解かれた。



俺は小姫が苦痛に耐える顔を見逃さなかった。



「小姫ちゃん。転校初日はごめんね」

「私こそ・・・」



こうして、小姫と優花里はたぶん通じ合った。

小姫は動かされたんだ、この女の情熱に。握手したら痛い思いをするのに、それでも仲良くなりたいと、差し伸べられた手を拒む事が出来なかった。


うんうん。青春だ!俺は涙を流していた。


「おい、童貞。お前は仕事しろ」

相変わらずの優花里。



「男女差別かよーっ!」



その後めちゃくちゃ水やりした。




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