第十五話 秘密(2)
放課後。
少し離れた位置から、俺たちは小姫を見守る様に下校する。
近すぎても〝警護してます〟感が出ちゃうので、それを避けろとの命令が下っていた。
「なぁ童貞。お前何か知ってんだろ」
優花里が話しかけてくる。
「任務中だぞ」
「任務も何もこんな平凡な土地で何も起きねーっての」
俺たちがやってきた高校は、政令指定都市の外れにある、田舎すぎない感じの街の私立高校だった。
夕方も人はまばらで、小姫は爺さんと合流するまでの10分程度だけ街を歩いている。
「集中しろ」
「童貞の癖に生意気な」
「童貞は関係無いだろ!」
こんな静かな街で、転校初日の小姫が襲われる事は無かった。爺さんと共に、小姫は姿を消す。そこから先はまた別のボディガード達の担当だ。
俺たちはあくまで学校生活の担当。
俺たちは今日の任務を終えた。
「おい、童貞。メシでも食べに行こうぜ」
「辞めろよそのあだ名」
「でも事実だろ」
「ばっ!お前!」
俺は顔が赤くなるのを感じた。
「私なんかで良ければ」
え!?
「嘘だよバーカ。ラーメン行くぞ」
ー
小汚い街中華と言った感じの店で
カウンターに並んでラーメンを食べる事になった。
いや、ラーメンかよ。
「なぁ、お前なんか知ってるだろ」
同じ質問をしてくる優花里。
「何も知らねーよ」
「わだかまりなくしといた方が良く無い?」
「本当に何も知らないって」
「じゃあさ、なんでさっき、反射的に手が伸びたわけ?」
「そりゃあ、警護対象だからな」
「おい、吐けよ」
「知らねーって!!!」
優花里は大盛の炒飯を追加で頼んでいる。その脂質が胸にいかないことが悲しい。
「取引しよう」
「は?」
「私と情熱のイチャラブする代わりに、お前の持ってる秘密を教えろ」
ぽわわわわん。
俺の頭が妄想でいっぱいになる。
あの水着姿で・・・いやいや、水着をめくったら・・・
俺の初が!このギャルで!?
「ばばばば、馬鹿言うなよ」
「ふーん。わかった。お前、やっぱり秘密持ってんな」
「だとしても教えねえよ。きよし先生に教わっただろ」
「警護対象の事、ペラペラ喋るなってか?」
「そうだよ」
「真面目だねぇ」
こうしてラーメンを食べて、俺たちは解散した。
今日から学校生活に合わせて、新居が用意されている。
高校生の一人暮らしってなんだか特別だな。
つーか、鹿美華家はどんだけ金持ちなんだよ。
マンションまで用意して貰って・・・
「おい、なんでお前が隣なんだよ」
「こっちのセリフだクソもやし童貞」
隣の部屋は優花里だった。
「ま、また明日」
「いつでもおいで。秘密持って」
そう言って優花里は自分の部屋に入っていく。
フリーズする俺。
平常心、保てるのか・・・?




