第十四話 秘密(1)
そもそも、このシチュエーションがおかしすぎる。
転校生が同じクラスに3名。同じタイミング。先生の紹介にクラスメート達も驚いていた。
「はーい、じゃあ、自己紹介して」
壇上に立ち、俺らは自己紹介を始めた。
今日から俺たちは高校生活を始める。
「鹿美華小姫です」
それ以上の挨拶をしない小姫。
「小早川優花里でぇ〜っす!」
対照的にギャル感を前面に押し出している痴女。つーか白いシャツから蛍光色のピンク水着がうっすら見えてるんですけど!!!
男子の視線やば!
「奏爽律です」
し〜ん。
こうして、学生生活が始まる。
休み時間。
人気を集めたのは優花里だった。
というか小姫は机に突っ伏したまま、他人との関わりを持とうしない。
・・・特異な体質故なのだろうか。
そう考えると、寂しい。
俺は俺で馴染めずにいた。
前の学校にいた茂木が今になって恋しい。
凄い恋しいぞ茂木!
気がつくと目の前に優花里がいる。
俺たちは互いに知らない者同士だ。
「転校生同士、仲良くやろ!」
そう言って、握手を求めてくる優花里。
俺も白々しく握手をする。ちょっと赤面した。水着が透けている。痴女過ぎるコイツ・・・
「ね、あの子にも声かけようよ」
優花里が突っ伏している小姫を指差す。
「ソ、ソウダネー」
2人で小姫の前に行くと、小姫は顔を上げた。久しぶりに見るその顔はやはり人形みたいで可愛い。長い睫毛が動く。
「私、小早川優花里、よろしくね」
そう言って、手を出す。
小姫はそれに応えない。
何故なら、他人が触れば、火傷するからだ。
「ちょっと!無視する事無いんじゃない?ねぇ!」
優花里が小姫の肩に触れようとした時、俺は反射的にその手を弾いていた。
「・・・は?」
キレる優花里。
「じ、事情ってモンがあるだろ」
そうだ。優花里は・・・というか俺以外、知らないんじゃないか?小姫の体質なんて。
「私はこの子とやり取りしてんだけど?」
つかコイツもコイツで、警護対象にどうして上から目線なんだよ!
「ごめんなさいね。潔癖症なの私・・・」
俯き加減で小姫が謝っている。なんだろう、綾波感が凄い!
「私が汚ぇってこと!?」
「ち!違うってば!優花里!」
えっ?みたいな空気が流れた。
やっちまった!呼び捨てしちゃってるよ俺!
「あ?童貞が私のこと呼び捨てすんじゃねーよ」
「どどどどどどどど!!!!!童貞は関係ないだろ!!!!」
焦る俺にクラスが笑い、何とかその場はおさまった。
つーか、小姫の事、喋った方が良いのか?
流石にやり辛いよなぁ・・・
ちなみに俺のあだ名は童貞になった。




