第十三話 小早川優花里(3)
「痛ぇっ!!!!」
と最初に発したのはギャル優花里だった。
マウントを取られながらも俺は銃を向けていたのだ。
その直後、俺も俺で銃が撃たれた。
ランダムロンガンの放銃のタイミングが、俺の方が早かったのだ。
「勝負ありッ!」
鼻の下を伸ばしたガンマンきよしが腕をあげる。てか、ゴム弾めちゃくちゃ痛い・・・
「最悪。運ゲーじゃんこんなの」
確かにそうだった。俺の銃が早かっただけで、普通なら負けていた。
「ギャルくん。君は確実に撃つことだけを考えて、撃たれることを考えていなかった」
きよしが鼻の下を伸ばしながら言う。
たしかにそうだ。俺も教わった気になる。
「ボディガの基本の基本だ。相手をねじ伏せる、というのは、相手の攻撃力をなくすという事。忘れるな。今日は以上だ」
こうして。
長い訓練が始まったのだけれど。
長々とそれを描写していても大変だ。
俺とギャル優花里は食事から筋トレ、そして様々な武器の扱い方、格闘方法、心得・・・
それらを、たった一週間で叩き込まれた。
ほぼ、忘れかけている事の方が多い。
大丈夫か、これ?
最終日。
爺さんが現れた。
「律さん。随分と凛々しい顔をされている・・・」
「えっ?たった一週間だぞ」
「一週間ですよ」
「そうかな?」
爺さんに言われると自信がつく。
そして爺さんはギャル優花里を見ている。
「貴方が小早川様ですね?」
「ああ」
「早速ですが、お隣の律さんと、2人で、高校に編入してください。小姫お嬢様を守る役目をお願いします」
「はあっ!?高校!?私中卒なんだけど!」
「学力は・・・なんとかなります」
とにかくもう驚きもしない展開だ。
これから俺と優花里は高校生になって、小姫をサポートしていく。それだけだ。
ボディガードとして・・・
「きよしさん。一週間、ありがとうございました!」
俺と優花里は挨拶をする。
「はっはっはっ!仕事だからね!ほら!バキュン!!!」
そう言って空撃ちのポーズ。
ガンマンきよしの目の前には、誰もいなかった。俺たちは無意識に身体を動かし、回り込んでいた。
「成長したね。これで安心だ」
こうして、北国からまた戻って、舞台は高校へ・・・
「なぁ、女子高生の警護ってどんなもんなんだろうな?」
「え?」
帰りのハイヤーに乗りながら、優花里が尋ねてきた。
あっ・・・ボディガードの心得・・・
警護対象の事をペラペラ喋っちゃいけないんだ。
「んなもん知るかよ」
万が一がある。小姫の体質の事を、俺は言わないでおいた。
「ふーん」




