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ダンジョンマスターズ  作者: 髙龍


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三十話

ここでヒイロは助け船を出すことにした。

「当面の食料を確保できればよいのですよね?」

「そうだが、何とかなるのか?」

「私の手持ちを少しお譲りしましょう」

ヒイロはアイテムボックスから食料を取り出して見せる。

「一流の錬金術師でありながら一流の魔術師でもあるのか」

アイテムボックス持ちというのは世間一般からすれば物凄く珍しい。

空間に干渉するというのはそれだけ高度な技術なのだ。

そして、ヒイロのアイテムボックスは時間すら操り時間経過を止めている。

これにより、食料などを気軽に保存可能にしている。

「これだけあれば足りますかね?」

「あぁ。十分だ。しかし、礼に錬金術師殿は何を望む?」

「そうですね。かの村での私の行動に目を瞑って頂ければそれで結構です」

「そうか、村か・・・。よし、ならばこうしよう。錬金術師殿がお嫌でなければ代官という形にしてもよいだろうか」

「私を代官にですか?」

「あぁ。村、一つで一流の錬金術師殿を射止められるなら安いものだ」

なるほど。

この短時間でよく考えている。

これは実質的に自分を抱え込むいい手だ。

断ってもいいのだろうがここは一つ思惑に乗ってみよう

「わかりました。非才な身ですが精一杯勤めさせていただきます」

「そうかそうか。これで我が領も安泰だ」

錬金術師は様々な物を作り出す。

これを上手く使えば領内を富ますことも可能だ。

「これは私ばかりもらいすぎですね。伝手を辿って食料を安定供給できるように動きましょう」

「是非に頼む」

こうしてラスティンとの話し合いは終わった。


◆◆◆

念話でラキア姉さんに連絡をとる。

「ラキア姉さん。今、大丈夫でしょうか?」

「あらあら、ヒイロの頼みなら忙しくても聞いちゃうわよ」

「食料の備蓄に余裕はありますか?」

「あるけど何に使うのかしら?」

「ダンジョンを開いた結果、ウィンドブルが食糧不足に悩まされていまして・・・」

「あぁ。あの街の食料のほとんどは約定に縛られていたわね」

一流の魔王ともなると人間の情報収集も一流だ。

「援助をお願いしてもいいですか?」

「構わないわ。偽装した商隊を送ってあげる」

「後は品種改良した種と家畜とその餌をある村にお願いします」

「構わないけど人間にあまり肩入れするのはお勧めしないわよ」

「先行投資みたいなものですよ」

そう言ってヒイロは誤魔化した。

居心地のいい村だ。

しかし、深く関われば関わるほど後で悲しい思いをする。

それはわかっているのだが今は考えないようにしていた。

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