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6話

 森を抜けて広大な荒野が広がっていた。まだ森を抜けたばかりで、誰にも会っていなかった。


「ファランまだまだ遠いのかのぉー」


「ジルさんに貰った地図だとあと2日ぐらいかかるかな」


(わらわ)は、お腹が空いたぞ」


「もうお腹が空いたのか、んー周りに魔物もいないし、昨日の熊肉でもいいか?」


「うむ。 焼いてくれ」


 そう言われてファランは、空間収納の手を入れて熊肉を取り出す。空間収納はやはり時間が止まっているようで生肉も腐っていなかった。


 ついでにフライパンと薪を出して小枝を出して魔力をコントロールしながら小さいファイアを出して火を着ける。


 昨日ジルさんに貰ったパンと皿を出し置いておく、熊肉がいい感じに焼けてきたので、塩と山胡椒をふりかけて味付けをし、パンに挟んだ。


「はい、出来たよベリ。ファラン特製熊肉サンドだよ」


「うむ。頂きますじゃ」


 美人な顔でモグモグと音がしそうなくらいの感じでベリは食べていた。


「美味じゃのぉー」


 ここでベリの決め台詞が炸裂した。


「ホントだね。なかなかうまいな」


 肉汁と山胡椒のピリッとした辛味が臭みと味の引き締めており、挟んだパンと合っていた。


 水魔法で後片付けをしながらファランは


「ベリこれで大丈夫そうか?」


「うむ。大丈夫じゃ」


 旅支度をして、再び王都グリーンデルに向けて出発する。このやりとりをあと6回もする事になるとは思わずに。


 2日間の歩きの旅を終えて、王都グリーンデルに到着した。1日目は洞窟で寝た。2日目は草原で魔物に襲われないようにして寝ずに見張りをしていた。もちろんベリはしっかり熟睡していた。


 そんな感じでようやく夕方に着いた王都はとにかく広かった。中央にはグリーンデル城が鎮座しており、中央の通りはかなり人で溢れかえっていた。


「ベリ俺昨日寝てないから宿で、一回寝てもいいか?」


「うむ。良いぞ」


 そう言って商店などの宿屋の場所を聞いた。


「いらっしゃい」


 そこは、レトロな雰囲気がある宿屋だった。この世界には魔物の体から取れる魔石があり、それを使ってライトにしたりしている。


 出迎えてくれた女主人はかなりふくよかな体型の女性が迎えてくれた。


「一晩泊まりたいのですが」


「おや、カップルかい?」


「いや、そういう訳ではないですが」


「なんだい、ハッキリしない男だね。一緒の部屋でいいのかい?」


「はいお願いします」


「ご飯付きで1部屋銀貨1枚だけどいいかい?夕食は6時から9時の間だよ」


 鍵を渡され、部屋へと向かう。部屋はあまり広くはないが、ベットが二つあり、十分休むことの出来る部屋だった。


 さっそくファランは部屋へと行きベットに横になった。するとすぐに睡魔が襲ってきて眠ってしまう。


 夢の中では、綺麗なお姉さんが手を振っている。綺麗な街だ。日本を思い出す。そんな都会でお姉さんとデートをしている。ベリもかなり美しいが、彼女は可愛いが似合う。


 目覚ましの音が鳴り目が覚めるとなぜか少しだけ疲れが残っている気がした、横には何故かベリが寝ていた。


「起きろベリ、夕食の時間だ」


「んな。もうそんな時間かえ?」


 ガバッと音がしそうな勢いで起き上がるベリ


「さあ早く起きて食べに行くのじゃ」


「わかったよ」


 そう言って俺達は、1階の食堂へと降りていった。


 食堂の酒場は、かなりの人数で賑わっていた。労働者だろうか、筋肉がムキムキの汗臭そうなオジサン達がたくさんおり、大声で話していた。


 ファランとリベが酒場に入ると皆がニヤニヤとした視線をベリに向けている。


 二人は、テーブル席に座り何を頼むか相談を始める。


「んー何を食べるのじゃ?」


「そうだなあー俺はこの香草野菜入りブタの腸詰めとパンかな」


「では、(わらわ)もそれにするのじゃ」


 そうして届いた腸詰めは、かなり美味しかった。ジューシーな豚肉の油と香草の匂いがくどさを消しており何本でも食べられそうだった。


「美味じゃのぉー」


 お決まりの台詞が決まった所で周りが美しすぎるベリに声をかけようと、ゴソゴソしていたので、さっさと酒場を後にして部屋へと帰った。









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