2話
翌日約束通りベリアルを散歩をしにレアンの森に来ていた。
「ベリアルは、どんな魔法を使えるんだい?」
「前に見せたじゃろ。獄炎、あれしか今は使えぬが、ジル殿から短剣を借りてきたから魔物が出てきたら真っ二つに斬ってくれるわ」
「ハハッ、ベリアルって意外に酷いこと言ってるのに姿が似合わないよな」
「ぬっ主だって、外見と中身があってないだろ」
「いや俺は、今の10歳からやり直すよ。全力でこの世界を楽しもうと思うよ、前世では仕事に追われてて人生を楽しむ事ができなかったから」
爽やかな顔をしながらファランは答える。その姿にベリアルは、顔が熱くなったが誤魔化す為に周りに生えている大きな木を見ていた。
「むっ何か動物の気配がするぞ、気をつけるんだ」
「ベリアルそんな事が分かるのか」
「妾が分かるのは、数や強さではなく近付いてくる雰囲気しかわからぬ。だから何が近付いてくるかわからぬから用心せい」
なるほどな、そうこうしている間に木と木の間の雑草から体調50cmぐらいのウサギが現れたが、現れたと思ったらあっという間に距離を詰めて、ファラン目掛けて体当たりしてきた。こいつがジルさんが言っていたベイクラビットであるのだろう。
飛び出して来たのと同時にベリアルは地面を蹴り出していた。体が幼くなってしまった分だけ、力が入らないが流石に悪魔だ。首元を斬りつけてベイクラビットを一撃で倒した。
「ベリアル少し短剣借りていいか?」
「うむ。良いぞ」
ファランは、短剣を借りて丁寧に血抜きをしてからベイクラビットの後処理をしていた。川原として生きていた時に幼い頃から高校生まで猟師だったじいちゃんに獣の解体の手伝いをさせられていた。おかげで解体作業には自信があった。
「何をしているのじゃ?」
「血抜きだよ、本当は川があったら良かったんだけど、これをしたら美味しく食べられるからな。魔物だけどウサギだから美味しいかも知れないからな」
「なるほどのぉ、妾は美味しければそれだけで嬉しいぞ」
そう言ってベリアルはとても美しい笑顔で笑っていた。その後2体ベイクラビットを倒して体に限界がきたので、今日はここまでにした。ジルさんに肉を渡して皆で昼ごはんにシチューとして食べた。
-ー1か月後
あれからファランの体力はかなり回復した。散歩と筋トレも毎日行っていた。
「ファラン、体力は戻ったようだな。まずは今日から夜に魔法の練習をするぞ、昼は今まで通り体力作りとナイフの使い方の特訓だな」
「ジルさん昼に何で魔法の特訓しないんですか?」
「魔力切れを起こすと気を失ってしまう。魔力自体は寝てしまえば回復するから夜に魔力を限界まで使って次の朝には回復するって寸法だ。しかもファランの歳なら限界まで使えば魔力も増える」
「なるほど夜やる方が効率がいいんですね」
こうして、ファランは魔法使いとしての特訓が始まった。いざ始まるとジルさん日く、魔法はイメージが大切と教わった。
一番最初にライトと言う魔法を教わる。杖の先に光を灯すイメージをするんだと、最初に言われてイメージしたが全く点かなかったが、地球での電球のイメージが浮かぶとジルさんもビックリするくらいの明るい光を放ちすぐにファランは倒れた。
翌朝には、ベットで目が覚める。昼はジルさんに護身用に教えて貰ったナイフ、散歩、筋トレ、家事をこなして過ごす。
今日はベリアルが「妾は、美味しいものが食べたいんじゃ」と森の中で言ってきたので、口の中に木苺を放り込んでやった。
夜には魔法の練習だ。昨日言われたライトをすると、またすぐにぶっ倒れた。
さらに次の日の夜ジルさんにもう少し長く持つよう光を小さくイメージを持つように注意を受けた。なるべく淡く光る豆電球の白色をイメージをしながら『ライト』を唱えた。すると昨日よりやや控え目の光が出てきて、上手く行ったが魔力が少ないファランは10分したらぶっ倒れた。
評価を付けて頂けたらこれからの作品の執筆活動に頑張れます。
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